1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670028
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
久保田 真理 関西医科大学, 医学部, 講師 (60121901)
|
Keywords | 細胞分裂 / 卵割 / 二次元電気泳動 / 母系効果突然変異 / モノクローナル抗体 / ウエスタンブロッティング / アフリカツメガエル |
Research Abstract |
卵割と極体形成時の分裂溝の収縮が阻害されているために、細胞質分裂ができない卵を産む母系効果突然変異(af)のアフリカツメガエル雌を戻し交配により分離した(1991)ので、これを用いて細胞質分裂機構の研究を行った。af卵細胞質中には野生型に存在する、分子量78kDa、等電点7.6の蛋白が欠損している(胚細胞に特異的な分裂溝収縮蛋白。以下、af蛋白と略す。)。このaf蛋白の細胞質分裂における役割を明らかにすることにより、細胞質分裂の分子機構の一端を知ることが本研究の目的である。本年度の研究により以下の成果が得られた。 1.野生型卵細胞質を種々の方法で分画し、af卵に顕微注入することでaf卵の分裂溝を収縮させる活性を調べると、活性はCa^<2+>、Mg^<2+>等の二価の陽イオンの有無に拘わらず安定であった。硫安沈澱では40-70%飽和の分画に活性が存在し、ゲル濾過を行うと70-80kDおよび150kDに相当する分画に活性が認められた。 2.二次元電気泳動ゲル上の78kDのスポット100個分を集めて抗原としポリクローナル抗体を作成し、SDS-PAGEのWestern blottingを行うと、抗体は野生型卵細胞質では78kD付近の二本、af卵細胞質では一本と反応した。これは、野生型には抗原性が似ている二種類の蛋白が存在し、afではこの内の一つが欠損していることを意味する。 3.二次元電気泳動ゲル上の78kDのスポット100個分を集めて濃縮後、アミノ酸自動分析器でN末端のアミノ酸配列を調べた。得られた20のアミノ酸配列と相同な配列は既知の蛋白には存在しないので、af蛋白は全く新しい種類の蛋白であることがわかった。 以上を踏まえて、af蛋白の更なる精製、af蛋白に対するモノクローナル抗体の作製、cDNAライブラリーからのaf遺伝子の単離を、残りの一年間で行う予定である。
|
Research Products
(1 results)