1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670028
|
Research Institution | KANSAI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
久保田 真理 関西医科大学, 医学部, 講師 (60121901)
|
Keywords | 細胞分裂 / 卵割 / 二次元電気泳動 / 母系効果突然変異 / モノクローナル抗体 / ウエスタンブロッティング / アフリカツメガエル / 小麦胚芽レクチン |
Research Abstract |
アフリカツメガエルの戻し交配により得られた母系効果突然変異(af)雌が産む卵(af卵)では、卵割溝の収縮が阻害されているめに、細胞質分裂は起こらない。この突然変異を利用して、胚細胞に特異的な細胞分裂機構の一端を明らかにすることが本研究の目的である。本年度の研究により以下の成果が得られた。 1.af卵細胞質中には野生型卵細胞質中に存在する、分子量78kDa、等電点7.6の蛋白が欠損している。本研究ではこの蛋白に対するモノクローナル抗体を作製し、これを用いて卵細胞質構成蛋白のWestern blottingを行った。この抗体は、af卵細胞質中では78kDa付近の一本のバンドとしか反応しなかったが、野生型卵細胞質中では二本のバンドと反応するものと三本のバンドと反応するものが存在した。発生段階特異性や組織特異性は見られなかった。この蛋白の卵割溝収縮との直接的関係はまだ証明できていない。 2.アクチンを細胞膜につなぎとめる役割を持っている、ezrin、radixin、およびmoesinは78kDa付近に分子量を持ち、卵割に関係することが知られているが、これらの蛋白は野生型とaf卵細胞質では違う分布を示したが、78kDa蛋白とは別のものであることがWestern blottingにより明らかになった。 3.小麦胚芽レクチンで処理した野生型卵は、卵割溝が現れるが収縮できずaf卵と極めてよく似た形態を呈したので、この結合蛋白の野生型とaf卵細胞質での分布の違いを調べたところ、af卵では205kDaの蛋白が欠損しており、34kDa付近の蛋白にも差が見られた。今後、これらの蛋白についても解析する予定である。
|