1993 Fiscal Year Annual Research Report
情報伝達物質を介したニューロン-2型アストロサイト情報伝達の研究
Project/Area Number |
04670116
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒田 正男 大阪大学, 医学部, 講師 (90028556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 裕行 大阪大学, 医学部, 助教授 (90112052)
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Keywords | ヒスタミン / ヒスタミンH_1受容体 / アストロサイト / アストロサイトーマ / ヒスタミン神経 / グリコーゲン / 転写機構 / クローニング |
Research Abstract |
平成4年度までの研究で、中枢ヒスタミン神経系は神経細胞のみならず、アストロサイトをも標的とすることをラットの初代培養アストロサイトを用いて研究を進めてきた。今年度は、ヒスタミンニューロンの細胞株とアストロサイトの細胞株をin vitroでco-cultureし、ヒスタミンニューロンとアストロサイトの情報伝達を培養細胞のレベルで証明することを達成するために、恒常的にヒスタミン受容体を発現するアストロサイトーマの作成を行った。2型アストロサイトはグリコーゲン貯蔵細胞であることが示唆され、グリコーゲン貯蔵、代謝の研究に用いられるC6アストロサイトーマを用いた。そして、我々がクローン化に成功したウシヒスタミンH_1受容体cDNAをトランスフェクションし、H_1受容体が恒常的に発現するC6アストロサイトの細胞株(C6-H1R)の樹立に成功した。C6-H1Rをヒスタミンで刺激すると、イノシトールリン酸の蓄積、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇が引き起こされた。しかし、サイクリックAMPの蓄積には影響がなく、初代培養アストロサイトにおける結果と一致した。一方、ヒトの中枢においてもヒスタミン神経系がアストロサイトを標的とすることを明らかにするために、ヒトH_1受容体遺伝子クローンを単離し、in situ hybridizationによりヒト大脳皮質アストロサイトにおけるH_1受容体の発現を証明した。さらに、ヒトH_1受容体遺伝子を用いて、ヒトの種々の組織におけるH_1受容体mRNAの発現を明らかにする過程で、末梢組織には二種のH_1受容体mRNAが発現するのに対し、中枢では一種しか発現せず、末梢と中枢でH_1受容体遺伝子の転写機構が異なることを発見した。また、脳のヒスタミンH_1受容体を[^3H]メピラミン結合試験で測定する際に、[^3H]メピラミンがH_1受容体に加えて、シトクロームP450IIDファミリーに属する蛋白をも標識することを明らかにし、H_1受容体のラジオリガンド結合試験の改良法を確立した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Fujimoto,K.,et al.: "Genomic cloning of the rat histamine H_1 receptor." Biochem.Biophys.Res.Commun.190. 294-301 (1993)
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[Publications] Horio,Y.,et al.: "Molecular cloning of guinea-pig histamine H_1 receptor gene." J.Biochem.(Tokyo). 114. 408-414 (1993)
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[Publications] Iredale,P.A.,et al.: "High stable expression of the bovine histamine H_1-receptor coupled to[Ca^<2+>]i mobilization in CHO-K1 cells." Biochem.Biophys.Res.Commun.195. 1294-1300 (1993)
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[Publications] Choi,A.Y.,et al.: "Glucocorticoids enhance histamine-evoked catecholamine secretion from bovine chromaffin cells." J.Neurochem.(in press).
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[Publications] Liu,Y.Q.,et al.: "Does[^3H]mepyramine binding site represent the histamine H_1 receptor? Re-examination of the histamine H_1 receptor with quinine." J.Pharm.Exp.Ther.(in press).
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[Publications] Mizuguchi,H.,et al.: "Expression and characterization of the bovine histamine H_1 receptor in cDNA transfected C6 astroglioma cells" J.Biochem.(Tokyo). (in press).
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[Publications] Fukui,H.and Yanai,K.: "Methods in Neurotransmitter and Neuropeptide Research" S.H.Parvez,M.Naoi,T.Nagatsu,and S.Parvez(Elsevier), 48 (1993)
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[Publications] 福井裕行: "ブレインサイエンス最前線'94" 佐藤昌康(講談社), 12 (1993)