1992 Fiscal Year Annual Research Report
細菌病原因子としてのストレス蛋白質の機能に関する研究
Project/Area Number |
04670252
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
山本 友子 杏林大学, 医学部, 助教授 (60110342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 博之 杏林大学, 医学部, 助手 (40221650)
田口 晴彦 杏林大学, 医学部, 助手 (20146541)
緒方 幸雄 杏林大学, 医学部, 教授 (40086533)
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Keywords | ストレス蛋白質 / 細菌病原性 |
Research Abstract |
細菌の病原性発現におけるストレス蛋白質の役割を解明するために、Yersinia enterocoliticaのストレス蛋白質変異株を分離後、それらの病原性発現に関する性状を解析し、以下のような結果を得た。さらにマクロファージ貪食によりY.enterocoliticaのストレス応答が誘発されることを見いだした。 1.我々が開発したトランスポゾン挿入変異株を分離するためのsucide plasmidを用いて、T.enterocolitica0:8より1800株のカナマイシントランスポゾン挿入変異株を得た。その中で温度感受性の性質を示す48株についてマクロファージ内増殖能を検討した。マクロファージ増殖能は、細胞侵入能とともにY.enterocoliticaの病原性発現に必須の因子である。得られた2株のマクロファージ感受性変異株は、本研究を推進するために有力な手掛かりを与えるものと考えられる。 2.マクロファージ貪食により、1時間以内にY.enterocoliticaの約20種類の蛋白質の新たな合成あるいは、その産生量が増加することを確認した。そのなかで6種類の蛋白質が熱ショックで誘発されるストレス蛋白質と2次元ゲル電気泳動上で一致した。誘発された蛋白質のうち、免疫学的反応性からhsp60およびhsp70が同定された。貪食後の主要なストレス蛋白質の合成の変化を経時的に検討した結果、誘発は1時間以内におこり、22時間後においても続くことが明らかとなった。誘発量の最も多い22,000ダルトンの塩基性蛋白質に注目し、遺伝子の解析を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] D.Wall,J.M.Delaney,O.Fayet,B,Lipinska,T.Yamamoto and C.Georgopoulos: "arc-dependent thermal regulation and extragenic suppression of the Escherichia coli cytochrome d operon" Journal of Bacteriology. 174. 6554-6562 (1992)
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[Publications] H.Yamaguchi,T.Yamamoto,Y.Konoeda,H.Taguchi and S.Ogata: "Epitope homology between bacterial heat shock protein and self-proteins in the host cell" APMIS. 100. 957-962 (1992)