1992 Fiscal Year Annual Research Report
要介護老人の離床プログラムの開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
04670323
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
進藤 伸一 秋田大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90171074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 俊輔 秋田大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (60234449)
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Research Abstract |
本年度は、本研究の第1段階として、2つの研究を行った。 1つは、離床プログラムやリハビリテーションを積極的に導入していない特別養護老人ホームで生活する要介護老人の、痴呆、起居移動能力、身の回り動作能力、などの長期的な「自然経過」を明らかにするための研究である。対象は40名で、入所時から死亡退所時までの障害悪化の程度を、1年ごとに入所記録から調査した。結果の主な内容は、痴呆は死亡1年前までは入所時のレベルが比較的保たれているのに対し、起居移動能力や食事動作能力は、時間の経過とともに低下する傾向がみられた。しかし、本人の能力よりも介護方法(体制)に規定されやすい排泄や入浴については、その低下率は少なかった。 もう一つは、離床プログラムやリハビリテーションの積極的導入が、特別養護老人ホームに入所している要介護老人の、生命予後や機能・能力障害の予後にどのような影響を及ぼしているか明らかにするための研究である。典型的な2つの施設を選び、死亡退所した計96名の要介護老人の入所期間、死亡時年齢、継続治療が必要だった病気、痴呆、起居移動能力、身の回り動作能力などの悪化率を調査した。これについては、現在、プログラム実施ホームとそうでないホームの比較分析中である。 当初予定していた機器を用いての研究は、機器の購入が遅れたことと施設側との調整がつかず、来年度実施することにした。また、新しくデータ分析ソフトが開発されたため、一部購入機器を変更した。
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