1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670432
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山田 剛太郎 岡山大学, 医学部, 助教授 (50116513)
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Keywords | C型慢性肝炎 / 肝細胞障害機序 / T cell cytotoxicity / HCV抗原 / 接着分子 / HLA core抗原 |
Research Abstract |
C型慢性肝炎でインターフェロン(IFN)治療を受けた症例を基に、肝生検組織中C型肝炎ウイルスコア(HCVc)抗原、リンパ球サブセット(CD8,CD4,CD31b,CD28,CD57)、HLA抗原(HLA-ABC,-DR,-DP,DQ)、接着分子(ICAM,VCAM,ELAM,LFA-1,LFA-4)、Fas抗原の局在について各種モノクローナル抗体を用いた酵素抗体間接法により免疫組織学的に検討した。対象はC型慢性肝炎活動型でINF-αの6ヵ月間投与ないしはIFN-βの6週間投与を受けた10例で、投与前1ヵ月前後に肝生検し、内8例では投与終了後6ヵ月前後に再度肝生検を実施した。投与前の肝生検組織では10例中3例でCP-9抗体によりHCVc抗原陽性の肝細胞が散見された。全例でpiecemeal necrosis(PMN)やfocal necrosis(FN)の部分の肝細胞に一致してHLA-class-1抗原の発現や接着分子であるICAM-1の発現増強が認められた。さらにその周囲には多数のCD8陽性,CD11b陰性のcytotoxic Tリンパ球の浸潤が観察された。これらリンパ球は活性化リンパ球の指標であるCD28陽性のものが多く、また、ICAM-1のリガンドであるLFA-1陽性のリンパ球も多く認められた。IFN投与後の肝生検ではALTが正常化し、血中HCV-RNAも陰性化した3例の著効例の肝生検ではHCVC抗体はいずれも陰性であり、HLA-ABC抗原の表出した肝細胞も減少し、小葉内のCD8陽性細胞の浸潤も殆ど消失し、ICAM-1陽性肝細胞に接したLFA-1陽性細胞も観察されなかった。一方、IFN投与中にALTの正常化を認めたが投与後に再燃した3例では肝生検組織内HCVc抗原は陰性でHLA-ABC抗原陽性肝細胞も投与前に比較して減少し、cytotoxic Tリンパ球も減少していた。IFN投与中もALTの異常とHCV-RNAの陽性が持続した2例では投与後の肝生検でも投与前と同様の所見で明かな差は認められなかった。 以上よりC型慢性肝炎ではIFN投与によりHCV-RNAの持続陰性化した症例ではCTLによる肝細胞障害も消失し、炎症は軽快することが確認された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tsugeno H,Yomada G,et al: "Immunohistochemical Study of Fas antigen in human liver" Hepatology. 20. 145A (1994)
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[Publications] Takatani M,Yomada G,et al: "Liver cell apoptosis in chronic hepatifis B" Hepatology. 20. 295A (1994)