1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670474
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
日高 紀子 帝京大学, 医学部, 講師 (60241048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 雄二 帝京大学, 医学部, 助教授 (40173182)
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Keywords | 嚢胞性線維症 / 病因遺伝子 / DELTAF508 / DELTAex16 / ホモ接合体 / 多型 / CFTR遺伝子 / PCR-SSCP |
Research Abstract |
嚢胞性線維症はコーカソイドでは2500人に一人と頻度の高い遺伝病であるが、日本人では希である。日本人とコーカソイドにおけるこの疾病の頻度の違いの原因を解明するために、4症例の日本人嚢胞性線維症の患者の変異を調べた。コーカソイドでは原因突然変異の70%はDELTAF508であるが4症例ともこの変異は認められなかった。次に頻度が高いG542X,R553X,DELTA1507,G551X(エクソン10と11)も認められなかった。症例1と2は27個のエクソンすべてを調べた。症例1では、エクソン16,17a,17bがPCR法で増幅できず、この部に大きい塩基欠損あるいは大幅な塩基の挿入があると考えられた。エクソン15,16,17a,17bをすべて含む断片が生じるようにEcoR1で切断した後、正常エクソン15をプローブとしてサザンブロッテイングを行ったところ正常より小さいバンドが検出され、またエクソン16をプローブとした場合にはバンドは検出されなかった。よって症例1にはエクソン16を含む約0.5Kbの欠損が2つの対立遺伝子に依存し、これが病的突然変異(DELTAex16)と考えられる。コーカソイドにおいてこの突然変異は見られない。症例1の病因対立遺伝子がDELTAex16についてホモ接合体である可能性があるので、この患者の両親兄弟の遺伝子を検索する予定である。症例2についてもすべてのエクソンを調べたが、病院と思われる突然変異は見つからなかった。症例3と4についてはPCR-SSCPによって残りのエクソンをの突然変異を調べている。症例1,2および正常対照にはDNA多型と考えられる6種の変異がCFTR遺伝子内に認められた。そのうち2種(1塩基欠損と1塩基置換)はコーカソイドですでに報告されており、残りの4種(すべて1塩基置換)は日本人にのみ認められたものである。
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