1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670602
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松岡 優 徳島大学, 医学部, 講師 (80127860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 泰弘 徳島大学, 医学部, 教授 (20035471)
福家 義雄 徳島大学, 医学部附属病院, 助手 (50228938)
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Keywords | 胎児 / 断層心エコー / 三尖弁閉鎖不全 / 心房間血流 / 胎児心不全 / 胎児心機能 / 胎児不整脈 / 胎児心電図 |
Research Abstract |
定期検診時に異常を認めた胎児(胸水、腹水の貯留、浮腫など)に断層心エコー検査を施行し、上室性および心室性期外収縮などの胎児不整脈を診断し、治療してきた。断層心エコーでわからない電気的特性を明かにするために胎児心電図を制作中である。 断層心エコー検査中、ファロー四徴症、左心低形成、エブスタイン氏症などの先天性心疾患を診断してきた。なかには胎児心不全の状態であり、母体への薬剤による治療および胎児の腹水,胸水を排出し、加療を試みた。 胎児心不全の診断は心室容量、心筋壁運動、血行動態および心機能などで行うが、胎児についてはこれらの正常値もない。そこで、妊娠週数ごとの左室および右室の容積を正常胎児について測定し、正常値をだした。 心不全時は心室の容積が増加するだけでなく、心房圧左、肺欝血などのために右室内圧の上昇、肺高血圧および三尖弁閉鎖不全が出現する。三尖弁閉鎖不全の持続時間および最大流速を正常胎児および病的胎児について定量化し、病的三尖弁閉鎖不全は持続時間が全収縮期の60%以上と長く、最大流速も0.6m/sec以上であると報告した(日児誌、未熟児新生児学誌)。 胎児期の心房間交通は両心室のコンプライアンスの差、両心房の負荷状態などによって決り、左心室からの心拍出量に関与するので、非常に重要な意義を持つ。しかし、今だ心房間交通の人胎児の成績はない。我々は心房間血流のパターンおよび方向性が正常胎児と心房中隔欠損を持つ胎児では異なることを1992年の日本小児循環器学会で発表した。すなわち、正常胎児では二ないし三峰性の右左短絡であるが、病的になると多峰性であったり、左右短絡が出現してくることを明かにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 西岡 敦子, 松岡 優: "断層心エコー図,カラー・ドツプラー法による胎児および新生児三尖閉鎖不全の検討.第一編胎児および健康新生児の生理的TRについて" 日本小児科学会誌. 93. 1547-1552 (1989)
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[Publications] 西岡 敦子, 松岡 優: "ドップラー断層心エコー法による胎児の三尖弁閉鎖不全の検討-三尖責閉鎖不全の異常例について-" 未熟児新生児学会誌. (1993)
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[Publications] 松岡 優: "胎児の心機能" 臨床婦人科産科. (1993)