1992 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌を認識するヒト型モノクローナル抗肺癌抗体の臨床応用に関する基礎的検討
Project/Area Number |
04670679
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
日下部 きよ子 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (80075473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相羽 元彦 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (30051775)
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Keywords | ヒト型モノクローナル抗肺癌抗体 / 放射免疫診断法 / 放射免疫治療法 / HB4C5 / ヒト型lgM |
Research Abstract |
ヒト型モノクローナル抗肺癌抗体(HB4C5)の画像診断用薬剤としての価値を肺癌(LC6)移植マウスを用いてin ViVoで基礎的に検討した。 1)シンチグラフィでは1-125標識HB4C5投与後3〜5日に腫瘍への高度集積を呈し、コントロールとして用いたヒト型1gMの画像と大きな差を認めた。 2)HB4C5投与後1日、3日、5日の臓器分布を主要臓器を摘出して定量すると、腫瘍対血液比は3日後で5.1、7日後で3.3と腎臓を除く他の臓器に比し高い集積を示した。特に腫瘍内壊死部の腫瘍対血液比は3日で8.3、5日で5.8と高値を示した。コントロールの1gMでは腫瘍対血液比は3日で1.5、5日で2.3に停まった。腫瘍対血液比で比較したHB4C5と1gMの比(Specificity Index)は8.5となりHB4C5の腫瘍への特異的集積が示唆された。 3)マウスの全身のマクロオートラジオグラフィでは、腫瘍へのHB4C5の集積は肝臓他の臓器に比し明らかに高く、特に腫瘍内壊死部に高度の集積を呈した。 4)肺癌移植マウスにHB4C5投与後、摘出した腫瘍のミクロオートラジオグラフィでは、HB4C5は腫瘍細胞内の核を取り囲み多数の銀粒子の黒点として分布する他、腫瘍細胞内にも多く分布した。 以上の結果は、HB4C5がヒストンH2Bを認識することから、肺癌細胞内の核を中心として分布したものと考えられ、変性した細胞膜を有する腫瘍内の壊死細胞に特に高度に分布したと考えられた。
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