1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670735
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森本 忠興 徳島大学, 医療技術短期大学部, 教授 (10112244)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 仁司 徳島大学, 医学部附属病院, 助手 (40219605)
入谷 忠光 徳島大学, 工業短期大学部, 教授 (60035813)
木内 陽介 徳島大学, 工学部, 教授 (80035807)
|
Keywords | Hyperthermia / 導電加温 / 同心円状2電極アプリケータ / 局所加温 / 温度分布 |
Research Abstract |
表在性腫瘍に対する温熱療法に関し、局所的かつ効果的に加温するための加温装置と非侵襲性平板同心円状2電極を持つアプリケータを試作し、基礎的加温実験を行った。【方法】本装置はジュール熱を利用した導電加温である。周波数はできる限り低くし、十分な加温に要する電力でも筋肉の攣縮を起こすことのない200KHzとした。アプリケータは円形の内電極と輪状の外電極を同心円状に配置した2電極とした。この2つの電極については今回の実験に最適と思われる大きさを有限要素法により解析し、内電極は半径12mmの円盤状、外電極は半径24mmから28mmの輪状とした。アプリケータ内には冷却水を潅流させ冷却装置を兼ねた。このアプリケータを加温対象に直接接触させ通電加温した。温度測定には熱電対を用い温度分布図を作成した。【結果および考察】ファントムの加温実験では、電力の増加に伴い温度の上昇を認め、温度分布図は内電極の下方に楕円形のHot spotを示した。冷却水5℃、電力8.2Wの時、45℃の等温線は深さ9mmの位置を中心とした半径5mmのほぼ円形を呈した。40℃の等温線は中心を同じくし、短径9mm長径10mmの横に長い楕円形を呈した。雑種成犬の大腿筋を用いた加温実験でも同様の結果を得た。中心温度を45℃に加温するのに要する電力は、冷却水が5℃の時、ファントムでは約8Wであったのに対し筋肉では約14Wであった。この電力差は、血流による冷却機構が関与しているためと思われた。これらの実験で得た温度分布図は、有限要素法による理論解析の結果とほぼ一致した。加温による最高温度は電力の増減により制御が可能であった。また、理論解析によると、有効加温範囲は電極の大きさを変えることによってある程度自由な設定が可能であった。本装置は低周波数を用いたため電源装置の簡素化と小電力化が可能となった。また、温度分布図より、表在性腫瘍に対し局所的かつ効果的な加温が期待できると考えられた。
|