1992 Fiscal Year Annual Research Report
精巣上体尾部電気刺激法による精子の大量回収法に関する研究
Project/Area Number |
04670973
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
木下 裕三 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (00186298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穂坂 正彦 横浜市立大学, 医学部, 教授 (30106330)
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Keywords | 精巣上体 / 副睾丸 / 電気刺激 |
Research Abstract |
射精障害患者あるいは精路閉塞症の患者より精子を得る方法として、精巣上体尾部の電気刺激法による精子回収法の開発検討を行った。精管および精巣上体尾部の精巣上体管は厚い平滑筋層に覆れており、この部位の電気刺激による平滑筋の収縮により、精巣上体尾部精子を回収することが可能である。本年度はまず、ラットの精巣上体尾部精子の回収における電気刺激法の至適条件を検討した。精巣上体尾部より約1cm離れた精管より22Gジェルコ針を精巣上体尾部に向けて挿入し、精管と精巣上体尾部の間で1.5cmの電極間で電気刺激を施行した。電気刺激装置としてはトップ社製ニュートレーサー、あるいはファンクションジェネレーターを使用した。刺激電圧と電流はデジタルストーレッジオシロスコープにより測定し、電力量は両者の積の積分により求めた。棘波、正弦波、矩形波の3者の電気刺激の検討では、棘波が最も少いエネルギー量で、精巣上体尾部を収縮させた。棘波による刺激では、ピーク電圧40Vより収縮が観察され、70V、20H_Zの刺激で精子の回収量は最大に至った。この時の1棘波あたりのエネルギー量は130μjoulであった。精巣上体管液の回収量は、平均10.5±2.2(SP)μl、精子濃度4.6(±1.3)×10^9/ml回収精子数は4.6(±1.3)×10^6であり、この方法によって大量の精子回収が可能であった。精子運動率は10%FCS-F12中に希釈した状態で、46±8%で、約半数は非運動性精子にとどまった。ラットによるこれらの成績は、精巣上体電気刺激法によって、精巣上体尾部より大量の精子回収が可能であることを示している。
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Research Products
(1 results)