1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04671041
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
生駒 尚秋 鳥取大学, 医学部, 教授 (20032138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 幹夫 鳥取大学, 医学部, 助手 (10207772)
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Keywords | 滑動性眼球運動 / 小矩形波 / 年令変化 |
Research Abstract |
移動する指標を注視したときに生じる滑動性眼球運動に混入する小矩形波を健康成人を対象として検討した。眼球運動誘発装置で、水平性滑動性眼球運動を誘発し、電気眼振計で直流記録した。健康成人での小矩形波の発生と加齢との関係、薬物負荷の影響、病的症例の検討を行った。 30度の指標振幅、0.2Hzの指標運動周波数で誘発した場合、小短形波の出現頻度は、20歳代で0.50、40歳代0.74、60歳代で1.01と、加齢により増加していた。20歳代の健康成人に30度の指標振幅、0.1Hzから0.5Hz指標運動周波数で誘発した場合指標運動周波数の増加に伴い小短形波の出現頻度は減少していた。 30度の指標振幅、0.1Hzの指標運動周波数で、20歳代の健康成人に、ジアゼパムとアルコールを負荷して検討した。小矩形波の出現頻度は、アルコール負荷により増加したが、ジアゼパム負荷では変化しなかった。小矩形波の振幅と持続時間はジアゼパムとアルコール負荷により影響を受けなかった。 脊髄小脳変性症と聴神経腫瘍の患者を対象として、小矩形波の出現頻度を検討した。30度の指標振幅、0.1Hzの指標運動周波数では、小矩形波の出現頻度は健康成人に比べ増加する傾向を認めたが、前庭神経炎などの末梢性前庭障害患者でも増加する傾向が認められた。 以上の結果から、滑動性眼球運動に混入する小矩形波の多彩な特徴が明らかになった。今後薬物負荷による影響を検討し、病的症例の集積をすすめてデータ・ベースを構築し、小矩形波の発現機序を検討していく予定である。このデータ・ベースによって多変量解析を行い、滑動性眼球運動に混入する小矩形波の臨床的意義を明らかにできると考える。
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Research Products
(1 results)