1992 Fiscal Year Annual Research Report
三次元生体計測による小児の顎・顔面・歯列の臨床的診断システムの構築
Project/Area Number |
04671265
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
天野 秀昭 広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80127604)
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Keywords | 三次元生体計測 / 顎・顔面・歯列 / 咬合発育段階 / 標準座標値 / プロフィログラム / ワイヤーフレームモデル / 身長 / 相対成長 |
Research Abstract |
本研究では,三次元生体計測により得られた日本人小児719名および成人120名,計839名の顎・顔面・歯列の計測データをヘルマンの咬合発育段階別に集計,検討を行い以下の結果を得た。 1.ヘルマンの咬合発育段階IIC,IIIA,IIIB,IIICおよび成人における各計測点の男女別の三次元標準座標値を得た。 2.各咬合発育段階における座標値の検討で,各計測点における顎・顔面の幅,深さおよび高さの成長様式に特徴が認められた。幅においてはPorが最も大きな増加を示し,次にGoおよびOrであった。深さでは男女ともにPro-Nが最も増加し,男子で22.2mm,女子では16.6mmの増加がみられた。高さではPogで最大の増加を示し,男子で21.2mm女子で13.9mmであった。また,Goでは高さが増加し,下方への成長が認められたが,PogおよびSub-Nでは深さも増加を示し,いわゆる前下方への成長が認められた。 3.各計測点における咬合発育段階別の成長様式の検討を行った結果では,顎・顔面の成長と全身的な発育との関連において,体重との関係は認められなかった。しかし,身長との関係において,深さでは,Pogは男子および女子ともにIIICから成人間で身長の増加とともに前方へ成長が行われていた。また,高さでは男女ともに左右側Go,Pro-NおよびSub-Nにおいて身長の増加とともに下方への成長が認められ,特に下顎においてはPogの前方への成長およびGoの下方への成長が顕著であった。 4.標準座標値を基に,正面図,右側面図および上面図からなるワイヤーフレームモデルにより,各咬合発育段階における三次元的な標準プロフィログラムを作製した。これにより,症例との重ね合わせによる臨床診断が可能となった。
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