1993 Fiscal Year Annual Research Report
三次元生体計測による小児の顎・顔面・歯列の臨床的診断システムの構築
Project/Area Number |
04671265
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
天野 秀昭 広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80127604)
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Keywords | 三次元 / 生体計測 / 顎・顔面・歯列 / 咬合発育段階 / プロフィログラム / ワイヤーフレームモデル / 標準座標値 / 相対成長 |
Research Abstract |
本研究では日本人小児および成人の顎・顔面の標準的な成長発育を各発育段階別において三次元的にとらえるため,マイクロコンピュータを応用したダイレクトメソッドによる三次元生体計測システムを用い,日本人小児および成人の顎・顔面を対象として計測し,各発育段階における計測点の三次元標準座標値を得るとともに成長様式の検討を行い,各咬合発育段階における男女別の三次限標準座標値及び各咬合発育段階における成長様式の特徴を得た。 そこで,臨床応用に向け分析データをもとに,パーソナルコンピュータ上に診断用プログラムを開発し,顎・顔面・歯列の三次元診断を試みた。診断用プログラムはディスプレイ上に患者のデータより三次元ワイヤーフレームモデルを作成し,立体的に顎・顔面・歯列の構造をとらえることが可能なものであり,ワイヤーフレームモデルはフランクフルト平面及び左右側Porを基準平面及びX軸とし,正面図,右側面図および上面図からなる三次元的なプロフィログラムとした。症例としては,正常咬合の男子成人1名,8才女児1名,臼歯部交叉咬合を示す男子成人1名および上顎前突症例の10才女児1名を用い検討を行った。その結果,臼歯部交差咬合症例は上面図において下顎の左側偏位が明らかに見られ,また上顎前突症例では右側面図において臼歯部からの上顎前方位が著明である等,各症例の臨床症状が視覚的にまた数値的に把握できた。 以上のことから,本研究により開発された診断プログラムは三次元ワイヤーフレームモデルにより顎・顔面・歯列をチェアーサイドで容易に診断でき,臨床応用が可能な三次元診断システムである事が示された。
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