1993 Fiscal Year Annual Research Report
シキミ科植物に含まれる特異的成分の化学構造とケモタクソノミー的考察について
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04671296
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Research Institution | NAGASAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
河野 功 長崎大学, 薬学部, 教授 (20038607)
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Keywords | シキミ(Illicium anisatum) / 大八角(Illicium majus) / 紅八角(Illicium macranthum) / 南川八角(Illicium dunnianum) / 地楓皮(Illicium difengpi) / 野八角(Illicium simonsii) / グリセロフェニルプロパノイド / トリフェニルネオリグナン |
Research Abstract |
昨年,シキミ科(Illiciaceae)植物のchemotaxonomy的考察を加える中で野八角(Illicium simonsii)よりsesquineolignanの1種であるsimonsinolを単離し,新たなtriphenylneolignanの存在を示した.simonsinolのC環はpropenyl基に対してortho位にphenol基を持ち,紅八角(Illicium macranthum)から得られたmacrantholや南川八角(Illicium dunnianum)から得られたdunnianolとも異なった置換様式を持つ.今年度は更に酢酸エチル可溶部,ブタノール可溶部等極性部を検索した.その結果,興味有ることに少量ではあるが酢酸エチル可溶部からはanisatin型sesquiterpene(4)(これはanisatinよりも毒性が高いことが分かっている)が得られ,一般に有毒植物とは考えられていなかった野八角にも有毒成分が存在することが分かった.酢酸エチル可溶部からは他に述べるべき化合物は得られなかったが,ブタノール可溶部からは次の様なneolignan類が得られた.(2),(3)の化合物は他にも見られる物であるが,(3)は地楓皮(Illicium difengpi)からも得られたglycerophenylpropanoidに属する化合物であった.実際,(3)のglucose部分にcaffeic acidが付加したものは既に地楓皮からも得られていた.従って,グリセロール縮合型フェニルプロパノイドの存在はシキミ科にかなり特有のものと言える.以上の結果,シキミ科に特有の成分としてanisatin,majucin 型 sesquiterpeneやphytoquinoid,triphenyleolignan,glycelophenylpropanoidあるいはglyceroneolignanの存在が示された.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Isao KOUNO: "Neolignans and a Phenylpropanoid glucoside from Illicium difenqpi" Phytochemistry. 32. 1573-1577 (1993)
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[Publications] Isao KOUNO: "A New Triphenyl-Type Neolignan and a Biphenylneolignan from the Bark of Illicium simonsii" Chem.Pharm.Bull.42. 112-114 (1994)