1993 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子解析による巨核球性細胞の分化・成熟程程の検索とその白血病診断への応用-
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04671434
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Research Institution | KOBE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山口 延男 神戸大学, 医学部, 教授 (00026890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 信一 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (50153721)
寮 隆吉 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (00159237)
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Keywords | Smg、p21 / rho p21 / ras p21関連低分子GTP蛋白 / 巨核球性白血病細胞株 / 巨核球多核化 / サイトカイン受容体mRNA / CMK / ま |
Research Abstract |
本年度の研究においてはサイトカイン受容体が多様な生物学的反応を惹き起こす分子機構について興味を集中し、巨核球分化における細胞内シグナル伝達系および諸種のサイトカインに対して特異な反応性を示す巨核球系細胞株などについて研究した。研究成果は次の様である。1.CMK細胞にはP21AmRNAとsmgP21BmRNAの双方が検出された。それらの濃度(level)はTPAによって著しく増大した。このことがCMK細胞をより成熟した巨核球に分化させた。Smgp21蛋白分子はまた、TPA誘発性のCMKの分化中にも増量した。GP〓bのmRNAはTPAによって増量したが、smgp21mRNAレベル上昇のタイムコースはGP〓bmRNA増化のタイムコースより急速であった。これらの結果はsmgp21が巨核球分化の制御において重要な役割を演ずる可能性を意味する。2.CMK細胞は構造的にrhoAおよびrhoCmRNAを発現した。更にC3エクソエンザイム(C3)は、CMK細胞におけるrho-蛋白の不活性化を、ついで巨核球の多核球化を惹き起こした。此の成績はrho蛋白が巨核球多核化のregulatorとして働く可能性を明らかにしたものである。3.新しい戸核球性白血病細胞株(KH184と命名)が、右頸部リンパ節腫脹を初発症状とした患者から樹立された。表面形質分析で、KH184細胞はGPIb及びGP〓b/〓a抗原を示した。しかし、ノーザンブロット法では、成熟巨核球のマーカーであるPF4mRNAは認められなかった。更に、L1F、IL-3、GM-CSF、IL-6などのサイトカイン、或はTPAのいずれもがKH184細胞の増殖および分化のいずれをも惹起することができなかった。これらの所見は、KH184は巨核球造血の機序を検索する上で、有用な細胞株であることを示すものである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Nagano et al.: "Ultrastructural Analysis of a Human Megakaryocytic Leukemia Cell Line(CMK11-5)in Response to a Platelet Agonists" International Journal of Hematology. 57. 73-80 (1993)
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[Publications] M.Yasunaga et al.: "Extramedullary Tumor as Presentation of Megakaryocytic Leukemia:Establishment of a New Human Leukemia Cell Line" Annals of Hematology. (in press).
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[Publications] R.Ryo et al.: "Platelet Release Reaction during EDTA-induced Platelet Agglutinations and Inhibition of EDTA-induced Agglutination by Anti-glycoprotein IIb/IIIa Complex Monoclonal Antibody" Thrombosis Research. (in press).