1993 Fiscal Year Annual Research Report
児童期における起立性調節障害および不定愁訴の社会生態学的解明
Project/Area Number |
04680084
|
Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
大澤 清二 大妻女子大学, 人間生活科学研究所, 教授 (50114046)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠井 直美 大妻女子大学, 人間生活科学研究所, 助手 (20255243)
|
Keywords | 起立性調節障害 / OD / 疫学調査 / タイ / 母子相関 / ライフスタイル |
Research Abstract |
昨年度収集したデータ約10000標本に加えて本年度は東京、宮城、岩手、山梨、石川、静岡およびタイ国東北地域ウボン県の児童生徒の資料を収集した。主たる調査項目は起立性調節障害に関する診断項目と心電図、血圧検査(一部標本のみ)および家庭における生育環境などである。研究目標である同症候群の頻度分布の検討と母子相関、について日本のデータから以下の知見を得た。 1.小学3〜4年生の陽性率は男子0.7%、女子1.2%、同5、6年生3.0%および4.3%中学生9.7%と13.5%、高校生12.3%と17.2%であり、思春期以降に急増している。 2.症状別にみると「乗り物酔い」男子31.0%、女子41.1%、「疲労倦怠感」32.8%と39.5%「立ちくらみめまい」22.1%と31.2%がきわめて高く学校教育上重大な問題を〓んでいる。 3.同症候群の母子相関についてみると親子ともに起立性調節障害の確率はp=0.279〜0.281であって強い相関を見出した。 4.生活の夜型化が進行している地域ほど同症候群の陽性率が高い。 5.なおタイの児童生徒の陽性率は男子18.8%、女子25.9%であったが年齢的特徴が日本と異なり中学生の頻度が高かった。
|