1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04680119
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Research Institution | HITOTSUBASHI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
川口 智久 一橋大学, 社会学部, 教授 (80017615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高津 勝 一橋大学法学部, 教授 (30034838)
藤田 和也 一橋大学社会学部, 教授 (80017673)
早川 武彦 一橋大学商学部, 教授 (90114959)
唐木 国彦 一橋大学商学部, 教授 (90017484)
関 春南 一橋大学経済学部, 教授 (30017537)
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Keywords | 生涯スポーツ / スポーツ・フォア・オール / レクレーション運動 / テレビジョン / 人民スポーツ / 大学体育 / スポーツ政策 |
Research Abstract |
最終年度にあたる本年度は、過去2年間の研究を踏まえ、研究分担者全員による論稿を収録した単行本の出版作業が進められ、5月には刊行される予定である。この作業の中で本研究のキーワードの「生涯スポーツ」を、新たに検討対象とした「スポーツ・フォア・オール」概念とその実体分析から改めて捉え直すことができた。前年度のドイツ、フランスに続いて、本年度はイギリス、アメリカについて新しい資料の収集とスポーツ組織、行政、商業資本の三者の関係に注目しての実態分析が進んだ。イギリスについては、福祉から営利へのスポーツ政策の転換と、ボランタリー、プライベート、パブリックの三者の構造とイニシアティヴが明らかになり、アメリカについては1920年代のレクレーション運動の研究資料が収集され、この国の生涯スポーツ問題の研究の基盤が形成された。しかし、この中で特に注目すべき現象として各国社会のスポーツ問題に共通するテレビジョンの生涯スポーツへの影響の分析が求められ、その研究が日米比較の下に展開された。また、ヨーロッパの生涯スポーツの歴史的背景を解明する上で必要で、しかし従来未解明であった「人民スポーツ」の史的研究も進められた。その一方で、生涯スポーツにつながる大学体育についての学生の意識調査を試み、そこからわが国の課題に応えるスポーツ教育像も明らかになった。本年度の研究で特筆すべきことは、来日中のポーランドの研究者との交流、JOC委員からの聞き取りを行ったことである。前者から旧東独との比較など旧社会主義国のスポーツシステムと転換後のスポーツ状況について知見を得、後者からわが国の戦前のスポーツ組織と国策、戦後改革とスポーツ政策・組織について文献では把み得ない事柄の知見を得た。これらについては今後の本格的な研究課題とすべきである。本年度は研究会8回、春・秋の研究合宿を行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 早川武彦: "地球時代の運動文化と人間" 一橋大学研究年報人文科学研究. 32. 1-110 (1995)
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[Publications] 内海和雄: "スポーツ行政の現状と課題" 都市問題研究. 85-12. 16-35 (1994)
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[Publications] 全員友著: "スポーツは誰のために-21世紀への展望-" 大修館書店, 280 (1995)