1992 Fiscal Year Annual Research Report
磁場によって誘起される流体散逸構造に関する実験的研究
Project/Area Number |
04804025
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本地 弘之 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (80038538)
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Keywords | 散免構造 / 水槽実験 / 伴流 / 電解液 / 磁場 / セル流れ / 電磁流体力学 |
Research Abstract |
今年度行った実験の主な内容と結果は以下の通りである。 1.作動電解液として重炭酸ソーダ(NaHCO_3)の水容液を使用し、塩水と同様に電磁流体力学的流れを起せることを確かめた。これにより塩素ガスの発生なしに実験を逐行できることになった。また、作業流体に選択の余地ができることになった。 2.浅い横型水槽を用いて、プレーン・ウェーク(平たい伴流)の形成実験を行った。この際、水槽の長さ方向に沿う電流分布の測定を行った結果、最大8%程の平均値からのずれがあることが分った。伴流の形態について個別に分ったことは次の通りである。 (1)形成される伴流の形状を調べた。伴流の波長のレイノルズ数(R)依存性を確定した。波長さL、有効局所磁場領域の直径をdとして、L/dはRの増加とともに単調に減少することがわかった。さらに、R〜350付近をこえるとL/dは一定値8.2に近づくことが明らかになった。 (2)伴流に横風が当るときの効果について調べた。磁場領域の道行方向に対して常に直角な方向の流れを誘起しながら領域が動く場合、領域後方に循環を伴った特異な伴流が形成されることがわかった。 (3)水槽の中央部に対称な渦対を作り、それと一般伴流との干渉形態を調べた。中央部で両者が干渉したあと、両者が融合した大きな渦領域が形成されることがわかった。 3.縦型の小型水槽を作製し、これを用いて周期的に並べた強力なネオジウム磁石の磁場によってベナール対流セルに類似のセル流れが形成されることを確かめた。セル形成後、磁石のいくつかを取り除くことによって、その後のセルの非定常な挙動を調べた結果、その個数によって間隙が必ずしも以前のセルの個数と同じ数のセルで埋まるものでないことが明らかになった。今後この様な散逸構造の挙動を詳しく調べたい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 本地 弘之: "ローレンツ相互作用による伴流" 日本物理学会秋の分科会講演予稿集. -76 (1992)
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[Publications] Hiroyuki HONJI: "Plane Wakes behind a Moving Magnetic-Field Source" Eugineeving Sciences Reports,Kyushu University. 14. 411-414 (1993)