1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04807032
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health |
Principal Investigator |
有働 武三 産業医科大学, 医学部, 講師 (20049844)
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Keywords | 抗酸菌(マイコバクテリア) / 大腸菌 / プラスミド / シャトルベクター / 鑑別性状 / 溶血性 / クローニング |
Research Abstract |
平成4年度に迅速発育抗酸菌に見い出された菌体外溶血活性について,以後のクローニングを目的としたマーカーとして利用可能か否か検討を加えた.その結果,溶血活性の発現に長時間を要すること,活性物質の菌体外への出現が発育時期のかなり後期に現れること,またその本態が非タンパク性の物質であることが明らかとなり,本性状遺伝子をクローニングすることは困難であることがわかった.本研究を進める途中で米国のグループによりヒト型結核菌(M.tuberculosis)にも溶血活性が報告されるにいたり(Infect.Immun.61:2708-2712,1993),以後病原性との関係が注目されることとなった. さきに構築した新しいクローニング用のシャトルベクター(pUT21;19.2kb)についてその改良(短縮)を試みた.SphIで消化するとサイズの異なる3本の断片が得られることがわかったので、それぞれの断片に大腸菌プラスミド(pHSG298)をつないで大腸菌で増幅後,M.smegmatisおよびM.bovisBCGに対し導入を試みたが形質転換株は得られなかった.それ故3箇所のいずれかのSphI認識配列上に抗酸菌での複製に必須の領域が存在することがわかった。今後さらにEcoRIなどの制限酵素も用いる計画である. 平成2年に我々が構築したシャトルベクターpVT937はM.scrofulaceum由来のプラスミドを用いており(FEMS Microbiol.Lett.83:277-282,1991),M.smegmatisでの転換効率はBCGに比べ極めて低頻度であった.生化学的性状遺伝子のクローニングは迅速発育菌で試みることが得策であり,以後早急にpUT21の改良を実現しクローニングに入りたいと考えている。
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Research Products
(1 results)