1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04832032
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
須永 照雄 九州大学, 工学部, 教授 (80037712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清田 タカ徳 九州大学, 工学部, 助手 (00195405)
近藤 英二 九州大学, 工学部, 助授 (40091334)
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Keywords | システム工学 / 最適化 / 非線形最適化 / コンプレックス法 / 最適設計 / 最適推定 |
Research Abstract |
微分を用いる共役勾配法や準ニュートン法は、制約なし非線形最適化問題に対し、収束が速く有効であるが、制約付き問題に対しては、ペナルティ関数を利用して制約なし問題に変換しても局所二次曲面は存在せず有効でない。また微分情報を得ることは実際上、困難な場合が多く数値微分も厳しい条件下では信頼性を失う恐れがある。 アルゴリズムが簡単で微分を用いない手法にコンプレックス法がある。これは点群を設定し、最劣点とそれを除いた点群の重心を結ぶ直線上で改良点を探し、これを最劣点と交換することを繰返し、点群として降下する方法である。点群は常に制約内にあるようにして降下するが、これは収束の信頼性がない。本研究は次の改良案の有効性を確かめた。 (1)制約付き問題はペナルティ関数を利用して連続微分可能な制約なし問題へ変換する。 (2)点群の数は変数次元より3〜4個多くとる。 (3)点群の中の最小点(最優点)を20回(100次元以下)〜40回(1000次元)更新する度に、その点の周りに乱数を利用して点群を発生させる再出発法を用いる。 非線形最適化手法の応用は遅れているが、従来の方法は微分を必要とし、実用規模の問題では解析的微分が困難または不可能な場合が多いことが原因と考えられる。ペナルティ関数を利用するコンプレックス法はアルゴリズムが簡単で信頼性のある手法なので、これより非線形最適化手法の応用は進むと思う。 本研究では、多目的満足設計、ミニマックス最適設計などに応用して有効性を確かめた。今後は、同定や逆問題での最適推定問題へ応用する計画である。
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