1993 Fiscal Year Annual Research Report
ジーンターゲッティング法を用いたマウス個体内でのδEF1遺伝子の機能検索
Project/Area Number |
04833010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東 雄二郎 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (30181069)
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Keywords | 転写制御 / 組織特異性 / レンズ細胞 / クリスタリン遺伝子 / ES細胞 / シーンターゲッティング / 発生 / マウス |
Research Abstract |
遺伝子の発現制御は、主に転写の段階で転写制御因子により行われる。転写制御因子にはアクチベターとリプレッサーの大きく分けて2つのタイプがありこれらの協調した働きにより厳密な遺伝子発現が行われるということが明らかになりつつある。転写制御因子δEF1はニワトリのδクリスタリン遺伝子の転写抑制に関わる因子である。δEF1はδクリスタリン遺伝子のエンハンサー上でDNA認識配列がオーバーラップしたアクチベーターと競合することにより遺伝子発現を制御していると思われる。一方δEF1の発現は意外にも水晶体以外の特定の組織でも胚発生の時期において強く、δEF1はδクリスタリン遺伝子のみならず、他の遺伝子の発現の制御に対しても幅広く関わっていることが予想された。 現在マウスにおいてジーンターゲッティング法(標的遺伝子組み換え法)により突然変異個体を作製して生体内における任意の遺伝子の機能を解析することが可能となった。そこで本研究ではδEF1の胚発生における機能を明らかにする目的でマウスを用いてδEF1遺伝子欠損個体の作製を計画した。まずマウスδEF1 homologue(mδEF1)のcDNA、ゲノムDNAのクローニング、及びそれらの大まかな構造解析を行った。得られたゲノムDNAを用い、δEF1のDNA結合に重要なカルボキシル基末端側のZn-フインガードメインを欠損するような変異を導入したターゲッティングベクターを構築した。このベクターを用いて変異個体の作製を行いヘテロ変異個体までの作製に成功した。δEF1ホモ変異個体については現在作製中である。またマウスにおける胚発生過程でのmδEF1の発現をmRNAレベルでノーザンハイブリダイゼーション法により調べた。
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