1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04835014
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
水谷 仁 宇宙科学研究所, 惑星研究系, 教授 (00011578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 雅彦 宇宙科学研究所, 惑星研究系, 助手 (40228557)
藤村 彰夫 宇宙科学研究所, 惑星研究系, 助教授 (70173458)
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Keywords | アポロ計画 / 月震 / 月内部構造 / ペネトレータ / 月のコア / 走時曲線 / スタッキング |
Research Abstract |
本研究計画の当初の予定通り、まずアポロ計画で得られたアポロ11号〜16号の着陸点における月震データのオリジナル版約90ギガバイトをExabyte、および光ディスクに複写し、解析に便利なように再編成した。これから特に活発な深発月震のA1ソースからの月震を観測状況のよいアポロ12号地点での観測したデータを中心に、各種波形解析を行った。当初計画していたように深発月震の波形類似性からスタッキング操作により、記録のS/N比を著しく向上させることができるようになったが、一方アポロ地震計のパルス的計測ノイズもまた多く、実際に自動的にスタッキング操作を行う事はかなり困難であることも判明した。しかし原波形を注意深く選び、スタッキングを行う事により、P,S直達波以外の多くの顕著な後続波のフェーズが存在することが示された。 検出された後続波の同定を行うために、月内部の地震波構造モデルに基づき、各種フェーズの走時表と振幅推定図(geometrical spreading)を計算した。これによると検出される可能性の高い後続波としてコアを通って地表で反射し、再びコアを通過してくるPKPPKP波、あるいはコアを通過し、コアとマントル境界で反射したPKKP波がある。これらの走時とスタッキングによる月震波形の比較から、このいずれの相も実際に観測されているように思われるが、これらの同定はさらに色々な角距離で観測された波形を使って確かめる必要がある。いまこの同定を仮定すれば、月のコアの半径は300キロから400キロと推定される。今後さらにこの仮定の検討を続ける予定である。 なおこれらの月震データ解析に基づき、LUNAR-A計画におけるペネトレータの着陸点の検討を行った。A1ソースのちょうど反対側の月面の裏側に一つのステーションをおくことにより、広い角距離範囲で有意義な観測が出来ることが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Mizutani,M.Kohno A.Fujimura,J.Kawaguchi S.Nakajima,M.Hinada: "Lunau penetrator mission,Lunar-A" Proc.18th Int.Symp.Space Tech.18. 1717-1721 (1992)
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[Publications] H.Mizutani,T.Yamamoto,A.Fujimura: "A new scaling law of the planetary magnetic fields." Adv.Space Res.12. 265-279 (1992)
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[Publications] H.Mizutani: "Japan sets out to the Moon and Mars" The Planetary Repory. 22. 12-13 (1992)
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[Publications] 藤村 彰夫,早川 雅彦: "LUNARー月計画ーわが国初めての惑星探査としての月ミッション" 日本惑星科学会誌. 1. 2-9 (1992)
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[Publications] R.Honda,T.Yamamoto H.Mizutani: "Numerical simulation of the Earth's core formation" J.Geophys.Res.(Red). 98. (1993)
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[Publications] M.Abe,H.Mizutani Y.Tamura,M.Ooe: "Effects of the continental drift on the fidal friction and Earth's rofation" Proc.24th ISAS Lunar Planet.Symp. 24. 225-231 (1992)