2004 Fiscal Year Annual Research Report
パラジウム触媒を用いる交差カップリングのための多官能性合成ブロックの新規創製と合成的応用
Project/Area Number |
04F03651
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Research Institution | Kyoto University |
Host Researcher |
檜山 爲次郎 京都大学, 工学研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
MICHAEL Schelper 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ジボロン / シクロプロパン / ジボリル化 / ジボリルシクロプロパン / ビニルシクロプロパン / シリルボラン / シリルホウ素化 / アレニルシクロプロパン |
Research Abstract |
多官能性合成ブロックとして金属多置換炭化水素に着目し,まずジハロシクロプロパンの1,1-ジボリル化を検討した。すなわち,混合溶媒THF/Et_2O (2:1)中ビス(ピナコラート)ジボロン共存下1,1-ジブロモシクロプロパンにブチルリチウムを-110℃で作用させると,対応する1,1-ジボリルシクロプロパンを収率よく与えることを見つけた。さまざまな1,1-ジブロモシクロプロパンがこのジボリル化反応に適用可能である。得た1,1-ジボリルシクロプロパンに,アルキリデン型リチウムカルベノイドを作用させると,'炭素-ホウ素結合へのアルキリデン基挿入反応が進行し,対応するジボリルビニルシクロプロパンが収率よく得られることも見つけた。また,生成物の単結晶X線構造解析から,アルキリデンの挿入は立体障害の少ないホウ素側で立体特異的に進行していることがわかった。さらに13-クロロプロピニルリチウムをジボリル体に作用させると,ジボリルアレニルシクロプロパンが立体選択的に合成できるごとを明らかにした。得たアレニルシクロプロパンは,ロジウム触媒存在下加熱すると1,2-ジボリルシクロペンテンに異性化させることができることも見つけた。 またジボロンに代えて(ジメチルフェニルシリル)(ピナコラート)ボランを用いると,適用範囲は比較的立体障害の少ないジブロモシクロプロパンに限られるものの,対応する1,1-シリルホウ素化反応が高立体選択的に進行することも明らかにした。
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