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2004 Fiscal Year Annual Research Report

芳香環C-H結合活性化と二酸化炭素の付加

Research Project

Project/Area Number 04F03783
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

村上 正浩  京都大学, 工学研究科, 教授

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) HOFFMANN Markus  京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
Keywords含窒素複素環カルベン / 炭素ガス固定化 / 遷移金属錯体 / 芳香族炭素-水素結合活性化
Research Abstract

本研究では、遷移金属を用いて炭酸ガスをベンゼンなどの基質分子に取り込み固定化することを目的とし、通常用いられている様々な金属錯体を用いて検討した。しかし、端緒となるべき結果を得ることができなかった。そこで、全く新しいコンセプトに基づく遷移金属錯体の開発が必要と考え、炭酸ガス固定化を効率良く行っている生体に範を求めた。具体的には、以下に述べる二点に基づき、ヒスチジン由来のカルベン-遷移金属錯体の合成を試みた。(1)含窒素複素環からなる安定カルベンが求核的であり嵩高く電子豊富な優れた配位子となる。(2)必須アミノ酸であるヒスチジンが、カルベン配位子に誘導可能なイミダゾール環を有し、ペプチド鎖が提供する酵素反応場において各種の機能が発現する。
まず、N-α-保護ヒスチジンエステルのイミダゾール環を銅(I)触媒存在下、N-アリール化した。次に、ヒスチジン誘導体のイミダゾール環を2-ブロモエトキシ-tert-ブチルジメチルシランでN-アルキル化し、対応する臭化イミダゾリウム塩を得た。さらに、このイミダゾリウム塩をルテニウム-カルベン錯体存在下、強塩基で処理した。その結果、系内で生成したヒスチジン由来のカルベンの配位子交換が進行し、ヒスチジン由来の新規ルテニウム-カルベン錯体を得ることに成功した。さらに、ヒスチジン由来のロジウム-カルベン錯体の調製を試みたところ、銀-ヒスチジンカルベン錯体を経由したトランスメタル化が有効であり、ロジウム-ジペプチドカルベン錯体の調製にも適用可能であった。
以上の検討により、ヒスチジン誘導体が含窒素複素環カルペン化合物の出発物質として利用でき、新しい遷移金属-カルベン錯体群の調製に有用であることを明らかにした。

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Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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