2004 Fiscal Year Annual Research Report
紐状ピリジンカルボキシアミドオリゴマーの自己組織化による新しい分子カプセルの設計と構築
Project/Area Number |
04F03795
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 誠 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MAURIZOT Victor 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 遷移金属イオン / 有機多座配位子 / 配位結合 / 水素結合 / チューブ状構造 |
Research Abstract |
本研究では、遷移金属イオンと有機多座配位子との配位結合を駆動力とした自己組織化により、新規なチューブ状構造を安定にかつ高効率・高選択的に構築することを目的としている。その分子設計として、まず、紐状のピリジンカルボキシアミドオリゴマーからなる有機多座配位子を用い、分子内で水素結合により配位子のコンフォメーションを規制する。次に、それらを遷移金属イオンにより自己組織化することで、巨大な構造体を一義的に組み上げる。このようにして組み上がった構造体は、水素結合と配位結合からなる特異な構造体であることから、新奇な物性や反応性が期待できる。今回、上記の目的の第一段階である、紐状のピリジンカルボキシアミドオリゴマー配位子の合成に成功したので報告する。市販のジケトン誘導体を出発原料として、キー中間体である3-アミノ-4-ヒドロキシ-5-ピリジンカルボン酸を5ステップで合成した。この中間体の保護基をはずした後、カップリング反応を繰り返すことで、目的とする4量体のピリジンカルボキシアミド配位子を合成することに成功した。この配位子は4つのピリジル基と3つのアミド結合を有するため、分子内での効率的な水素結合が期待できる。今後、これらの新規配位子と遷移金属イオンとの自己集合を検討する。また、同じ戦略でさらに長い配位子の合成を検討する。
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Research Products
(5 results)