2004 Fiscal Year Annual Research Report
職業的階層の上昇を目指す移民女性‐日本とアメリカ合衆国に滞在するブラジル女性の比較研究
Project/Area Number |
04F04002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 淳子 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YAMAMOTO Lucia Emiko 東北大学, 大学院・文学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 移民女性 / 職業的移動 / キャリア形成 / エスニック・コミュニティー / エスニック・ビジネス / 性役割 / 移民政策 / 労働市場 |
Research Abstract |
本研究の目的はエスニック・コミュニティーが女性のキャリア形成や職業的階層の上昇を可能にするためにどのような機能を果たしているのかを明らかにすることである。16年度は、2004年11月および2005年2月に群馬県大泉町で、2004年12月にアメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン市のブラジリアン・コミュニティーで、ブラジル人移民女性を対象者にしたフィールド調査および深層面接法を用いた調査を実施した。 大泉町で収集した質的データとアメリカ合衆国で収集した質的データを合わせて比較検討し、ブラジル人移民女性が本国とホスト国の2カ国におけるネットワークをどのように使用しているのか、日本またはアメリカでのエスニック・コミュニティーにはどのようなエスニック・ビジネスがあるのか、コミュニティーが彼女らにどのような職業的機会を与えているのかについてまとめた。両国の移民政策は異なる内容であるにもかかわらず、ブラジル人移民女性の経験には共通点が認められた。すなわち、労働市場などの職業環境があまり恵まれていないこと、職業的上昇がブラジル人コミュニティーあるいはポルトガル語が通じるコミュニティーに限られることなどである。これらの分析結果の一部を、在日ブラジル人女性が従事する専門職の視点からまとめた論文を、2004年9月に行われた"Luso-Afro-Brazilian Social Science Congress"(Coimbra, Portugal)で発表した。その他に、2004年7月の社会学国際学会に移民家族の論文を、8月の異文化心理学国際学会に外国人児童教育について論文を発表した。これらの学会に参加し、女性の国際移動が社会学者、心理学者の観点からどの様に議論されているのかを勉強できた。 上記の他、16年度調査対象者の職業状況の変化を追跡するために、来年度の大泉町(2005年4月)とアメリカ合衆国(2005年5月)での再調査の準備を行った。
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Research Products
(4 results)