2005 Fiscal Year Annual Research Report
北中国農村社会における共産党体制の成立-1930年代〜1950年代
Project/Area Number |
04F04015
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Research Institution | Waseda University |
Host Researcher |
天児 慧 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
NGO Minh-Hoang Thi 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 中国共産党の革命 / 山西省 / 西陽県 / 屯留県 / 北中国の農村社会改造 / 地方エリート / 信用 / 地方幹部 |
Research Abstract |
本研究のテーマは、1937年から1950年代のまでの中国農村において、中国共産党がどのようにして政権を樹立し、農村の集団化を通じて社会を改造し、農民意識の改造に取り組んだかという問題である。 1930〜50年代前半の中国革命は、共産党の指導下にありながらも、地域によって、時代によって農民の組織化、権力形成のプロセスが多様性に富んでいることが、ここ10数年来、中国共産党史の中でこのような多様性に着目した研究は進んできた。しかし山西省と雲南省の農村調査、さらには現地における資料収集を通して、農村革命の具体的なプロセスにおいて、現地の党員と脳門の社会的ネットワーク、個人的な関係が如何に決定的な役割を果したかという側面を実証的に明らかにした。元来、社会的ネットワークと農民の個人的な関係は伝統的社会に基本柱であり、共産党はこれに対して批判的であったといわれてきた。しかし実態としてみれば、革命推進、権力獲得に重要な役割を果たしたということで、この点が最も大きな学問的成果・貢献であった。 この研究成果を2005年4月に上海社会科学院の年次大会、およびライデンのアジア研究国際研究所において発表を行った。加えて、この発表を修正した論文「ハイブリッドの革命過程-1944年Xiyang県における中国合作化運動-」を学術史『21世紀の中国』の投稿を予定している。また、フランス国際学術史Histoire et Societes Ruralesにも論文「中国共産主義革命-資源と問題-」を発表する予定としている。
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