2004 Fiscal Year Annual Research Report
ロボットによる物体操作のための視触覚処理に関する研究
Project/Area Number |
04F04036
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池内 克史 東京大学, 大学院・情報学環, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOUKRAA Mustapha 東京大学, 大学院・情報学環, 外国人特別研究員
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Keywords | 物体認識 / 射影不変量 / アフィン不変量 |
Research Abstract |
私の博士論文では、射影幾何を利用して3次元空間の点と画像上の点との対応付けを行い、物体の認識と同定を同時に行う手法を提案している。本年度は、この手法の拡張を行った。この手法の特徴は、本来非線形である射影幾何の関係式を線形化し、線形代数の方法を用いて解析的に対応付けを解く点にある。 前半は、新しい理論に基づき、より高速かつ頑健である最適なアルゴリズムの開発に取り組んだ。また、多角形物体に対してこのアルゴリズムを適用し、形状が既知の単純物体に対して、認識および同定がより効率よく行われることを確認した。 後半は、上記の射影幾何に基づく認識アルゴリズムに、近年のコンピュータビジョン研究の成果であるアフィンパッチ(画像特徴量)の認識を組み合わせた手法の開発を行った。 これによって、これまでは積み木のような多角形物体の認識にしか適用できなかった本手法が、模様があり滑らかな表面を持つ一般的な物体の認識に使えるようになった。物体のモデルは3次元のアフィンパッチ群から構成され、認識アルゴリズムは次の2段階からなる。第1段階では、認識されたアフィンパッチの位置を利用して、射影幾何に基づく対応付けを行う。第2段階では、アフィンパッチの持つ特徴量を利用して、アフィンパッチ同士の対応付けを行う。 この手法により、高速で頑健な物体認識と初期位置の不要な物体同定が同時に可能になった。この結果を、数ヵ月の内に海外の論文誌に投稿する予定である。
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