2004 Fiscal Year Annual Research Report
地理情報システム(GIS)を用いた地下水の水質指標の評価に関する研究
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04F04041
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
檜山 哲哉 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BABIKER Insaf Sanhouri 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 岐阜県各務原台地 / 地下水 / 硝酸態窒素濃度 / 地理情報システム(GIS) / 窒素肥料 / 地下水の脆弱性 / DRASTICモデル / 栃木県那須野原扇状地 |
Research Abstract |
岐阜県各務原台地における地下水中の硝酸態窒素濃度のデータをデジタル化し、地図化した後に、台地上の土地利用がどの程度地下水中の硝酸態窒素濃度に影響を及ぼしているのかについて、地理情報システム(GIS)を適用して考察を行った。その結果、野菜耕作地における窒素肥料の施肥が、地下水中の硝酸態窒素濃度を高める原因として考えられた。その後、地下水の脆弱性に関するDRASTICモデルを同地域(岐阜県各務原台地)に適用した。その結果、地下水涵養量の大きい台地西部において、地下水の脆弱性が最も大きくなった。しかしながら、野菜耕作地における窒素肥料の施肥に起因する硝酸態窒素の地下水への流入リスク(地下水汚染のリスク)は、野菜耕作地の広がる台地東部において高くなった。本研究で用いたDRASTICモデルは米国で開発され、主に欧米の地下水に適用されている。そのため、各務原台地のような日本の帯水層にどの程度適用できるのかについて感度分析を行った。その結果、地下水涵養量と透水係数の二つのパラメータが、DRASTICモデルによる脆弱性の評価においで、特に重要であることがわかった。 一方、栃木県那須野原扇状地における1990年に得られた地下水の水質データをデジタル化し、地図化を行った。その後、地下水の水質の空間分布と季節変化に関する統計解析を行い、栃木県那須野原扇状地における地下水中の硝酸態窒素濃度に関し、土地利用がどのような影響を及ぼしているのかについて考察を行った。その結果、主に扇央部と扇端部において、硝酸態窒素濃度は春季と秋季に高くなった。春季には水田耕作地からの地下水涵養量が多いことが原因であり、秋季には降水量が少なく濃縮効果を受けていることが原因であると考えられた。また、扇端部の浅い地下水位を有する地下水は、硝酸態窒素濃度が高くなる傾向にあった。これは、地下水の流動に伴う地表面からの硝酸態窒素の付加とともに、水田耕作による窒素肥料の施肥の効果が現れた結果であると考えられた。
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Research Products
(2 results)