2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04055
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久保野 茂 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HE Jianjun 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 宇宙の元素合成 / 低エネルギー核反応 / 短寿命核 / 新星・超新星 / rp-過程 |
Research Abstract |
我々が本年行った研究活動は、次の3つに要約される。 (1)新星爆発における元素合成過程の解明の研究において、すでに得られていた^<22>Mg+pと^<21>Na+p系の低エネルギー陽子共鳴散乱の解析を進めた。^<21>Na+p系においては、励起エネルギーで10MeVまで測ることができたので、水素燃焼過程のみなす、高温燃焼のαp過程に関わる重要核反応課程である^<18>Ne(α,p)^<21>Naが調べられることがわかった。さらに、この反応に強く影響を及ぼすと考えられる陽子共鳴状態が観測された。これらの解析をすすめ、論文投稿を準備中である。得られた励起関数の解析には、RマトリックスのコードであるSAMMYを一部修正して用いた。新たに複数運の陽子共鳴状態を同定した。 (2)太陽模型の検証の要となる核反応の準備研究に参加した。太陽ニュートリノ問題は、ニュートリノ振動として解決を見つつあるが、太陽模型を検証するためには、重要となる核反応を精度よく知る必要がある。特に、^7Be(p,γ)^8B反応は、重要であるが、十分な精度で求められていない。高精度測る方法として、低エネルギー^7Beビームを使うことを検討し、この最初の実験として、入り口チャンネルの共鳴状態の研究の検討に当たり、期待される励起関数をSAMMYコードを使って予測した。この6月に、これに基づき、実験を行う予定である。 (3)また、高温の水素燃焼過程では、(α,p)反応が重要な働きをすることが予測されているが、実際にはほとんど判っていない。入り口チャンネルでは、α共鳴順位が不可欠の働きをすることが期待される。そこで、α共鳴状態を効率よく測定するための方法を開発するプロジェクトに参加し、理論予測や、設計に参加している。
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Research Products
(6 results)