2004 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ中の微粒子群の帯電と協同過程のダイナミックスに関する研究
Project/Area Number |
04F04072
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高村 秀一 名古屋大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
POUSTYLNIK Mikhail Yourjevich 名古屋大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | プラズマ / 微粒子 / ダスト / 帯電 / 摩擦力 / ダブルプラズマ装置 / 高温電 |
Research Abstract |
微粒子プラズマは,プラズマ物理における新領域の媒質である。近年,微粒子プラズマ中の波動や不安定性などのダイナミックスが注目を集めている。このようなプラズマ中での微粒子の挙動を考える上で、微粒子の帯電過程と帯電状態の理解は最も重要な課題である。しかし,帯電過程の能動的制御手法が確立されていないため,微粒子プラズマのダイナミックスに対する帯電過程の影響は実験的に明らかになっていない。 本研究では,光(レーザー)を用いた光電子効果による光電離を用いた帯電制御という斬新な手法を用いて,帯電遅延効果が微粒子群のダイナミックス(不安定性,波動現象)に与える影響を実験的に明らかにすることを目的としている。 本年度は,微粒子の帯電過程に大きな影響を与えるプラズマ中の高温電子成分の定量的な評価とその生成機構に関するモデリングを行った.ダブルプラズマ装置中のセパレーショングリッドとアノード電位を変化させることにより,高温電子成分の密度を精度よく制御できることが明らかになった.また,0次元の粒子バランスの式を用いて,高温電子成分の発生機構に関するモデリングを試みた. さらに,微粒子に運動に対する中性ガスによる摩擦力の効果を実験的に調べた.中性ガスによる摩擦力は,微粒子を捕捉するための負にバイアスされた下部電極にパルス電圧を印加し,その時の微粒子の減衰振動から算出した.しかし計測された摩擦係数は,理論値の2倍となった.現在,理論値と実験値の違いについて,帯電の遅延効果などを考慮して検討を行っている.
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