2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04074
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮崎 照宣 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
M D NOR A. F. 東北大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 強磁性トンネル接合 / ノイズ / スパッタ / 微細加工 / フォトリソグラフィ / シグナルアナライザ / ローノイズアンプ / シールドルーム |
Research Abstract |
ノイズを測定するためのCoFeB/MgO/CoFGeB強磁性トンネル接合を,酸化時間,熱処理時間,電極材料を系統的に変化させて,既存のマグネトロンスパッタ装置を用いて作製した.また,メタルマスクを用いて最小で100x100μm^2サイズに,フォトリソグラフィを用いて最小で4x4μm^2サイズに微細加工した.これらの素子の1/fノイズ特性を測定し,以下の結果を得た. 1.測定電流によるアニーリング効果 ノイズ測定の際に印加する電流によりCoFeB/MgO/CoFeB強磁性トンネル接合がアニーリングされノイズ値が変化することを系統的に調べた.ノイズ値は電流印加後10時間で最大値を示した後,徐々に低減し,約80時間で飽和した.これらの結果は電流によりCoFeB内のB原子が移動し,安定状態に至る過程でノイズ値が変化するとして説明した. 2.CoFeB膜厚依存性 CoFeBの膜厚を減少させるとノイズ値が上昇した.これはCoFeBとTaの界面において磁気モーメントが減少する効果が伝導特性に顕著に現れたものと解釈した.ノイズ値の膜厚依存性に関しての系統的な実験結果から最適のCoFeB膜厚値が5nmであることを示した. 3.CoFeB強磁性電極のB濃度依存性 CoFeBのB濃度を系統的に変化させてノイズ特性を比較した.B濃度の上昇とともにノイズ値は上昇した。これはB濃度の上昇により,測定の際に印加する電流によるBの移動などを引き起こすサイトが増大することによるものであると結論した. 4.磁気抵抗比とノイズの相関 作製した全ての接合の磁気抵抗比とノイズ値の相関を調べた.磁気抵抗比の上昇とともにノイズは低減する傾向を示し,磁気抵抗値50%以上ではほぼ一定のノイズ値を示すことを明らかにした.
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