2004 Fiscal Year Annual Research Report
光結晶ファイバーを用いたテラヘルツ波ピッグテイルによる生体分子の実時間計測近接場顕微分析装置の開発
Project/Area Number |
04F04077
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
猿倉 信彦 分子科学研究所, 分子制御レーザー開発研究センター, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
QUEMA Alex Villareal 分子科学研究所, 分子制御レーザー開発研究センター, 日本学術振興会外国人特別研究員
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Keywords | テラヘルツ電磁波 / 近接場顕微分光 / 光結晶ファイバー / レンズダクト |
Research Abstract |
本研究は光結晶ファイバーを用いたテラヘルツ波ピッグテイルによる生体分子の実時間計測近接場顕微分析装置の開発を目的としており、その装置の中核をなすテラヘルツ領域における光結晶ファイバー及び、レンズダクトの実現が今年度の研究目的である。現在、テラヘルツ波における様々な研究がなされているが、ほとんど全ての研究においてテラヘルツ波は空気中を伝播させており、要求される場所に伝播させることができるフレキシブルなファイバーやレンズダクトなどの導波路は開発されていない。そこで我々はまずテラヘルツ領域において高い透過特性を持つ材料の探索を行った。具体的には様々な材料に対してテラヘルツ透過スペクトル測定を行い透過特性を評価するとともに、光干渉法により、テラヘルツ領域での屈折率を測定した。その結果、TPX、テフロンが良好な特性を有することを見出し、柔軟性を併せ持つテフロンをファイバーの材料として、TPXをレンズダクトの材料として用いることとした。 まずファイバーについては、直径1mmのコアとそれを囲む2層からなるクラッドを有する光結晶ファイバーを作製し、テラヘルツ領域での偏波保持ファイバーを実現した。また、レンズダクトに関しては、テラヘルツ発生源となるインジウム砒素バルク半導体サンプルとのカップリングを考慮し、半導体サンプルへのブリュースター角での励起レーザー照射と、レンズダクト内での全反射を利用した光閉じ込め及び集光を可能にする素子を設計、作製した。このような光結晶ファイバーとレンズダクトを組み合わせたテラヘルツ波用の"ピッグテイル"を作成した。この"ピッグテイル"を用いることによって、簡易に様々な場所における物質の観測がおこなうことができるようになる。また、光結晶ファイバーを用いることによって、高効率であり、かつ指向性の高い伝播を得ることができる。
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