2004 Fiscal Year Annual Research Report
フラーレンナノ粒子を用いた光放射圧制御CMP平坦化加工に関する研究
Project/Area Number |
04F04079
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三好 隆志 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HA Taeho 大阪大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | フラーレン / CMP / ウエハ / 平坦化加工 |
Research Abstract |
本研究はレーザトラッビング技術に基づく光放射圧制御により,フラーレンナノ粒子からダイヤモンドライクの数nmサイズの超研磨スラリーを創製し,シリコンウエハ表面の凸部のみを数nmオーダで選択的に除去する超平坦化CMP加工技術の確立を目的にしている.本年度に行ったフラーレンナノ砥粒およびスラリー液からなる超研磨スラリー創製およびそのスラリーを用いた研磨に関する研究によって得られた知見は次のようである. ◆超研磨砥粒の創製 フラーレンをCMP加工で用いるための先決条件である水溶性の超研磨砥粒の創製を試みた.本研究では界面活性剤および超音波キャビテーションによるフラーレンの水分散を行った.ミセルを形成し,親水性・疎水性のような界面の性質を変化させる性質を持つ界面活性剤を用い,フラーレンを包み込むことでフラーレンの水分散を行う方法,また,超音波により形成・内破するマイクロバブルからの衝撃波により周辺に高圧・高温が発生するキャビテーション現象を用い,衝撃波で凝集体を粉砕し水分子でフラーレンを包み込むことでフラーレンの水分散を行うこの二つの方法を取り入れることで濃度0.1wt%のフラーレン水溶液の創製に成功した、 ◆超研磨スラリー液の創製 研磨に用いられるスラリーは砥粒と酸化剤・腐食剤・キレート剤からなるスラリー液で構成されている.特にスラリー液はCMP加工における化学的加工を支配し,砥粒との相互関係でCMP加工に作用するので,同時に超研磨砥粒との関連性を確認しながら開発を行う必要がある.酸化剤・腐食剤・キレート剤のそれぞれ組成比によるエッチングレートの変化を調べた結果,それぞれにはエッチングレートが急激に上昇または減衰する閾値が存在することが分った.また,フラーレンの濃度の上昇により酸化作用が弱まる傾向も現れた.これら結果を考慮した最適組成比のスラリー液の創製を行った. ◆超研磨スラリーによるCMP平坦化加工 次世代CMP平坦化加工に適用可能な超研磨スラリーの基本開発から,そのスラリーを用いた銅ウエハCMP加工への適用および加工表面評価までの一連の研究を行った.まだ,最適化の余地は残っているが,開発した超研磨スラリーを用いた銅ウエハCMP平坦化加工の結果,表面スクラッチが少々存在するものの市販のCMP加工用のスラリーを用いたときと同レベルの表面粗さを持つ加工平坦面を得ることに成功している.
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Research Products
(1 results)