2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04081
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 周 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WILSON Phillip Lawrence 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 脂質二分子膜 / リポソーム / ドラッグデリバリーシステム / 膜モデル / 膜融合 / ジャイアントベシクル / マイクロ流体 / マルチスケール解析 |
Research Abstract |
本研究は,ドラッグデリバリーシステム(DDS)の薬剤封入用カプセルなどに用いられるリポソームや,赤血球などのジャイアントベシクルに関して,それらの膜の分子構造を考慮にいれた膜モデルの構築を行なうことを主な目的としている. 本研究一年目となる本年度は,脂質2分子膜からなるリポソームに関して,分子論的なアプローチから連続体モデルへとつながる膜モデルの構築に関していくつかの手法を試みた.本年度前半では,膜面上の脂質2分子膜を粗視化するための方法としてボロノイ分割のアイデアを用いて,多数の脂質分子を1つの粒子で表し,脂質間の相互作用をボロノイ分割の分割面で表現する手法に関して研究を行なった.結果としては,脂質二分子膜において特に重要となる親水基と疎水基の役割を適切にモデリングすることに多くの困難を伴い,ボロノイ分割によるアプローチを諦めることとなった.現在は,粗視化分子動力学法や散逸粒子動力学法に近い概念を導入し,複数の原子のかたまりを1つの粒子として近似し,脂質分子を数個の粒子として表現するようなアイデアを導入しながら,場を離散的な粒子ではなくスカラー量として表現するような手法の開発を行なっている段階である.
|