2004 Fiscal Year Annual Research Report
電力自由化環境下における無効電力の最適調達法と調達価格に関する研究
Project/Area Number |
04F04086
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
餘利野 直人 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ELSAID Elsayed Elaraby 広島大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 電力系統 / 無効電力 / 電力自由化 / 地点別無効電力価格 / 信頼度 / 最適潮流計算 / 遺伝的アルゴリズム |
Research Abstract |
近年の自由化環境下における電力系統では、システムの信頼性の維持は難しい問題として取り残されている。本研究では、この問題を解決するためシステムの運用・制御において、特に重要な役割を演ずる無効電力について検討を行い、以下の成果を得た。 1.無効電力の適切な配置により系統信頼度が向上することは良く知られているが、無効電力による信頼度の向上効果をどのように価格付けするかについては、これまで具体的な手法が存在しなかった。本研究では、系統信頼度を維持するための最終手段が負荷遮断であることに着目して、最適化計算に基づいて無効電力の価値(価格)を算出する手法を開発した。これは、個々の系統故障に対して無効電力機器設置による負荷遮断量の削減効果を算出し、故障の発生頻度を考慮して、年間の運用費用に対する無効電力設置効果を算出するものである。無効電力機器としては、高速なパワエレ機器であるSVCと低速な従来型の並列キャパシタを対象とし、それぞれの設置量および応答速度を考慮した負荷遮断必要量を正確に算出している。計算には遺伝的アルゴリズムを用い、無効電力の地点別価格が算出される。本手法は、系統信頼度を価格付けした点、および応答速度の異なる無効電力を価格付けできる点が新しい。 2.英国のNGCでは長期契約をベースとした入札制度により無効電力の市場調達が行われている。本研究では上記1で開発した手法をこの種の入札制度に適用できる事を示し、さらに具体的な計算法を提案した。これは、無効電力市場における、システム信頼度を考慮した最適無効電力調達法の提案である。 3.無効電力制御に関連して、電力系統の運用状態を算出する連続潮流計算法を開発した。また、系統の最適化を行うための最適潮流計算法を開発した。これらは電力系統の電力潮流、送電線の熱容量制約、電圧上下限制約、電圧安定性など総合的な検討を行うための計算法である。
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Research Products
(6 results)