2004 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブの光非線形性を利用した新しいWDM光ファイバネットワーク用デバイスの研究
Project/Area Number |
04F04088
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 真司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SONG Yong Won 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | カーボンナノチューブ / 光ファイバレーザー / モード同期 / 可飽和吸収 / 光短パルス発生 |
Research Abstract |
本研究は、カーボンナノチューブ(CNT)の光非線形性を利用して、将来の波長多重(WDM)光ファイバネットワーク用の新しいデバイスの研究を行うものである。CNTはナノテクノロジーの代表的な物質であるが、これまではCNTの光学特性はあまり注目されていなかった。最近、CNTが光ファイバ通信で用いられる波長1.55μm帯で高速(ps以下)な可飽和吸収特性をもち、光ファイバレーザ中に用いることで受動モード同期によりパルス幅1ps以下の短パルスが得られることが示された。さらに、NCTは大きな3次光非線形性(χ_3)をもつことがいくつかのグループから理論的に示されているが、いまだに実証されていない。 これまでの我々の研究により、CNTが光ファイバ通信波長帯の波長1.55μm帯で可飽和吸収素子として働くことを示したが、CNTは動作波長をCNT径により変えることができる。実際のサンプルはいくつかの種類のSWNTが混ざっているため、光吸収に広がりをもつ。今年度は、まずCNTの基礎的な光学特性を測定し、これが波長1.55μm帯以外でも可飽和吸収特性をもつことを見いだした。さらに、これを応用し、波長1.55μm帯以外の波長、1.6μm帯・1.45μm帯・1.3μm帯・1μm帯でモード同期光ファイバレーザを実現することに成功した。さらに、CNTからの発光を利用した光デバイス、およびCNTの3次光非線形性の研究を現在進めているところである。
|