2004 Fiscal Year Annual Research Report
外ケーブル方式PC構造の終局挙動と合理的設計方法に関する研究
Project/Area Number |
04F04093
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
二羽 淳一郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BUI DIEP KHAC 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | プレストレストコンクリート / 外ケーブル / 終局ひずみ / デビエータ / 終局耐力 / スリップ / 塑性領域長さ / 摩擦抵抗 |
Research Abstract |
本研究の目的は、外ケーブル方式プレストレスコンクリートはり(以下、外ケーブルPCはりと記す)の終局状態における耐力算定ならびに合理的な設計方法を確立することである。そのためには外ケーブルの終局状態におけるひずみを精度良く算出することが必要であり、本研究では外ケーブルの終局ひずみの新しい評価式について提案し、その適用性を検討した。本研究で提案した評価式は塑性領域長さの概念を導入したものであり、従来の評価式を用いた場合よりも予測精度が大幅に向上できる。外ケーブルPCはりに関する80ケースの実験結果に対して、本評価式を適用したところ、緊張材の終局ひずみを十分な精度で算定できることが明らかになった。 また、外ケーブルPCはりの終局耐力の評価には、デビエータにおける外ケーブルのスリップに及ぼす載荷条件の影響を把握することが重要であるため、T型断面を有する外ケーブルPCはりの載荷実験を行った。その結果、外ケーブルのひずみ増加量は載荷条件が大きく関与しており、これには終局状態における外ケーブルの塑性領域長さが影響しているものと考えられる。さらに、外ケーブルのひずみならびにはりの終局耐力は、いずれも載荷スパンが長くなるほど増大することも実験的に明らかになった。デビエータにおけるスリップ現象は、摩擦抵抗がデビエータにおける不釣合力より小さいときに発生するものである。外ケーブルがスリップした際、ケーブルの応力が大きいセグメントから小さいセグメントに連続的に移行し、終局状態では均一な応力状態となる。これより、スリップ現象は外ケーブルのひずみを増加させるだけでなく、PCはりの構造的な挙動にも関与することがあきらかになった。
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