2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04099
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
壁谷澤 寿海 東京大学, 地震研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DINH Thuat Van 東京大学, 地震研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 耐震診断 / 耐震補強 / 耐力低下 / 復元力特性 / 耐震壁 / 非線形地震応答解析 / 耐震基準 / 鉄筋コンクリート |
Research Abstract |
古い耐震基準で設計された建物の地震被害を防止するために、耐震診断や耐震補強が進められつつあるが、多大な費用負担が必要であるために進捗状況は必ずしも順調でない。古い建物には、強度や剛性が低下する部材がよく見られるが、それらを含む構造物その影響に関する研究が十分でないため、必要以上の耐震補強をしている場合も少なくない。本研究の目的は、強度や剛性が低下する部材を含む鉄筋コンクリート造建物の地震時の挙動を精度よく予測する手法を開発して実験的、解析的に検証するとともに、耐震診断法の改良に応用することである。本研究では、既存建物で想定される強度や剛性が低下する部材の復元力モデルを開発し、部材実験により検証する。実験は既往の実験結果を参照するとともに、別予算で行われた鉄筋コンクリート造耐震壁の実験シリーズの中で、特に荷重履歴が耐力低下に与える影響に着目した耐震壁の実験(1/3モデル、1体)を行い、耐力低下型部材モデルの検証を行った。この部材モデルを組み込んだ非線形地震応答解析のプログラムを作成し、解析手法は既往の震動実験結果にも適用して検証している。また、解析手法は既往の震動実験結果にも適用して検証する。以上の方法で開発検証した部材モデルを用いた非線形地震応答解析手法手法により、強度・剛性の低下が建物の崩壊モードや応答変形に及ぼす影響を数値実験により検討した。地震応答解析にもとづいて、古い耐震基準で設計された建物の地震応答を高精度に予測する手法を定式化し、耐震診断手法の改良案を提案した。全体降伏機構および層降伏機構になる確率を評価し、降伏機構を考慮して応答変形を推定する手法を示した。5層、9層、15層の純フレーム構造および壁フレーム構造の建物の地震応答解析例により手法の妥当性を検証した。
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Research Products
(6 results)