2004 Fiscal Year Annual Research Report
金属間化合物のミクロンサイズにおける破壊・疲労評価と強化法の開発
Project/Area Number |
04F04104
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
肥後 矢吉 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HALFORD Timothy P. 東京工業大学, 精密工学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | TiAl / マイクロ材料試験 / ラメラ組織 / 破壊 / 疲労 |
Research Abstract |
MEMS(Micro Electro Mechanical System)は、微小機械と電子回路を集積させたデバイスで、高度IT機器や、超小型診断治療機器等への応用が期待されている。金属間化合物は、強度、耐熱性、耐食性に優れることから、高温用MEMSデバイスの候補材料として大きな期待が寄せられている。しかしながら、MEMSデバイスで使用されるようなミクロンサイズでの機械的性質は調べられておらず、実用化に際してきわめて重要となる材料の強靭化方法も考案されていない。本研究では、信頼性・耐久性に優れる高機能MEMSデバイスへ金属間化合物を適用するために最も基礎的なデータとなる破壊靭性ならびに疲労特性の評価法を開発するとともに、金属間化合物のミクロンサイズにおける強化設計手法を考案し、開発した試験法でその妥当性を確認する。平成16年度においては、ミクロンサイズの超微小サイズ試験片の加工技術の開発と加工したミクロンサイズの超微試験片に対して破壊、疲労試験が行える試験法の開発を行った。材料には、ラメラ組織に調整したTiAl基合金を用いた。機械研磨、電解研磨により箔状とした試料から、収束イオンビーム加工機(FIB)を用い、長さ50μm、幅10μm、厚さ10μmの切欠付き片持ち梁試験片を切り出した。作製した試験片に対して、破壊靭性試験ならびに疲労試験が行えるように現有の微小試験片用材料試験機の改良を行い、その試験装置を用いて、破壊、疲労試験を行った。その結果、ミクロンサイズの試験片に対して、破壊、疲労試験を行うことに成功した。破壊靭性値、き裂伝播抵抗を求めた結果、いずれもマクロ試験片における値より低い値が得られた。これはこのサイズの試験片では、外生的(extrinsic)な強化機構が作用しないためであると考えられる。この結果は、本材料のミクロンサイズでの強化機構を考える上できわめて重要となる。
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Research Products
(2 results)