2004 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸アパタイトのナノ粒子設計による細胞特異的治療をめざす超高効率DNA/RNAデリバリーシステム
Project/Area Number |
04F04108
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤池 敏宏 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHOWDHURY Md.Ezharul Hoque 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | DNAデリバリー / カルボネイトアパタイト / DNA-ナノパーティクル / ナノキャリア / アシアロ糖タンパク質 / 遺伝子導入 / pH感受性ナノ結晶 / 非ウイルス性遺伝子キャリアー |
Research Abstract |
現在、ほ乳類由来の細胞への高効率DNAデリバリー法としてウイルスを用いる方法が普及しているが、過去に報告されている事故に見られるように臨床医学における展開は期待できないため安全なDNAデリバリー法の開発は急務である。普及しているウイルスによる高効率導入の要因はその構造に起因する。その構造はウイルス粒子が血清成分との相互作用をすることを防ぎ、さらに細胞内への移行、エンドソームからの脱出、核への導入がすべて制御され、ほ乳類由来の細胞への遺伝子導入を確実に行うものである。このような、ウイルス粒子と同じような利点を保ちつつウイルスであることの欠点を排除した非ウイルス性粒子の開発は遺伝子治療において重要なコンセプトになっている。我々はカルボネイトアパタイトpH感受性ナノ結晶について哺乳動物への外来DNAの高効率な導入と発現について報告してきている。さらに、今回我々は開発してきたナノキャリアに特定のタンパクをコートすることによって、血清タンパクや細胞表面上に存在するタンパクとの非特異的相互作用の可能性を除去し、特定の細胞へのデリバリーを行う能力を付加出来る可能性について検討を行ってきた。 そのモデル実験として、DNA-ナノパーティクルをアシアロフェツインでコートすることによって肝実質細胞に特異的に発現しているアシアロ糖タンパクレセプターを介した遺伝子導入を試みた。その結果、タンパクコートしたナノ粒子は細胞特異性を示すだけではなく、高効率の遺伝子導入効率とタンパク質発現までの時間を大幅に短縮することが可能であった。このアパタイト結晶表面を細胞認識性巨大分子でコートするという方法は非常に容易であることから、遺伝子治療に非常に有効であることが示された。
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Research Products
(4 results)