2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04113
|
Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
夛田 博一 分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 助教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Fapei 分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 外国人特別研究員
|
Keywords | 有機超薄膜 / 有機半導体 / 電界効果トランジスター / キャリア注入 / キャリア移動度 / ナノギャップ電極 / 仕事関数 / グレイン |
Research Abstract |
有機電界効果トランジスター(OFET)は有機発光ダイオードや有機太陽電池とともに、21世紀のユビキタス社会の一翼を担うデバイスとして期待が寄せられている。OFETは、1990年代後半にペンタセン蒸着膜がアモルファスシリコンに匹敵する1cm^2/Vs程度の正孔移動度を示したことや、大気中でも安定なN型半導体特性を示す材料が見出されたこと、インクジェットプリントやスクリーン印刷のような簡便な手法で作製できることが示されたことにより、実用化への期待が高まり、国内外で開発競争が活発化している。本研究では、特に電極/有機半導体の界面の制御を行い、OFETの高性能化と新しい機能の付与を目指している。 一般にOFETは、p型あるいはn型のunipolarな特性を示す素子が多いが、ドレインおよびソース電極に仕事関数の異なる金属を用いることにより、正孔と電子の両方の注入効率を高め、キャリアの再結合による発光を確認した。この発光型トランジスター(light-emitting FET)は、スイッチング機能とともに発光機能を有する。材料探索および素子構造の改良により、発光効率を高めることにより、有機レーザーなどへの応用を目指す。 また、現状のOFETは多結晶体を含むため、グレイン境界の存在が、キャリア輸送を制限し、性能を悪くしている。最近、単結晶を用いたOFETも作製され性能の向上が示されている。微結晶に対し、自由に配線を行う方法として、原子間力顕微鏡を用いたディップペンリソグラフィーを適用し、絶縁体基板上への白金線の描画を行った。現在、線幅は数百nmであるが、条件を最適化することにより、数十から数nmの線幅で、微結晶に自由にアクセスする手法を確立する。
|