2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04114
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
海老塚 豊 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XIANG Ting 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | シロイヌナズナ / トリテルペン / トリテルペン合成酵素 / トリテルペンサポニン / 正合成工学 / 遺伝子クローニング |
Research Abstract |
植物においては、一般にトリテルペンモノアルコールはオキシドスクアレンが閉環して生成する。ゲノム情報から、シロイヌナズナにはオキシドスクアレン閉環酵素のホモログが13個存在することが判明しているが、成分研究の報告がないため、シロイヌナズナにおいてどのようなトリテルペンモノアルコールが生産されているか不明である。酵素機能の同定なされていない9種のホモログは、既知の酵素と配列上の相同性が低く、これらの異種生物での発現により新規トリテルペンモノアルコールを得る可能性が非常に高い。そこで、機能未同定の9種のホモログについて機能の同定を行い、新規トリテルペンモノアルコールの大量生産を試みた。まず、ゲノム配列を基にORFを予想し、プライマーを設計した。シロイヌナズナの開花前後の全草からRNAを抽出し、逆転写酵素によりcDNAプール調製した。これを鋳型にPCRを行い、目的のcDNAを増幅した。得られた遺伝子を酵母の発現ベクターに組み込み、ラノステロール合成酵素欠損の酵母変異株に導入し、生成物を単離した。NMR、MSなどの各種機器分析によりそれらの構造を調べた。その結果、9種のうち3種のクローンは、三環性の生成物を与えるクローン、二環生成後、第一環が開裂した生成物を与えるクローン、そして、五環形成後、第三環が開裂した生成物を与えるクローンであることが判明した。三環性の生成物、及び、開裂型トリテルペンを生成物として与える酵素のクローニングは初めての例であり、構造多様性の起源を解明上で非常に重要なてがかりを得たと考えられる。
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