2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04122
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大須賀 篤弘 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUNDARARAMAN Venkatraman 京都大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ポルフィリン / 環拡張ポルフィリン / 芳香族性 / 金属錯体 / サイズ選択的合成 / ヘキサフィリン / オクタフィリン |
Research Abstract |
環拡張ポルフィリン化学の展開として、発光性金属錯体の合成を目指し、ヘキサフィリンへの希土類金属の挿入について、詳しく条件検討を行ったが、今のところ成功していない。しかし、その研究の過程で、酢酸中でテルビウムイオンを作用させたところ、反転したピロールの二つが酸素でエーテル架橋された化合物が低収率ながら得られ、その構造をX線解析で決定した。非常に新しい形式の反応であるので、その一般化を含めて、反応機構の解明を目指して検討した結果、反応にテルビウムイオンは実は必要ではなく、酢酸ナトリウムと加熱するだけでも本反応が進行することがわかった。アセテートイオンがヘキサフィリンに求核付加を行い、生成した酢酸エステルが加水分解されて、水酸基となり、これが隣にあるメゾ位にペンタフルオロフェニル基のオルトフッ素を置換して、上記の生成物が得られたと考えられた。こうした結果から、ヘキサフィリンはいろいろな求核剤と反応する可能性が示唆された。そこで、トリフェニルホスフィンと反応させたところ、付加体が高収率で得られた。その構造を詳しく調べたところ、イリド構造を取っていることがわかった。更に、酸性条件でクロリドイオンやブロミドイオンをヘキサフィリンに作用させたところ、付加生成物が得られることもわかった。こうしたヘキサフィリンの反応性は、ベンゾキノンに類似しており、その類推で新しい反応を発見できる可能性を指摘できた。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Directly meso-meso Linked Porphyrin Rings : Synthesis, Characterization, and Efficient Excitation Energy Hopping2005
Author(s)
Y.Nakamura, I.-W.Hwang, N.Aratani, T.K.Ahn, D.M.Ko, A.Takagi, T.Kawai, T.Matsumoto, D.Kim, A.Osuka
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Journal Title
J.Am.Chem.Soc. 127
Pages: 236-246
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