2004 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属錯体を触媒に用いるケトン類の還元的アミノ化
Project/Area Number |
04F04128
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北村 雅人 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JIAO Peng 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 還元的アミノ化 / 環境調和型 / アミン類 / ピンサー型配位子 / 遷移金属錯体 |
Research Abstract |
ケトン類の還元的アミノ化は対応するアミン類の合成に強力な手段を提供する。ギ酸を還元剤に用いるLeuckart-Wallach反応にはじまり、水素を用いるMiquonac反応、NaBH_3CNを用いるBorch反応へと展開され現在に至っている。アミン類は有用物質合成における基礎有機化合物であるだけに、その供給法は省資源、省エネルギー、環境調和、安全性、原子効率、Eファクターのいずれも満足すべきである。しかし、目的とする反応に対して全く新しい触媒を見いだすことは容易ではない。発見効率の向上には、論理的アプローチと無作為行列的アプローチの均衡が重要であり、本研究では、当研究グループにて発見した触媒反応の機構解明研究によって得られた、「ドナー・アクセプター型二官能性触媒」、「立体保護による触媒会合抑制」、「準不安定配位子」等を指導原理として、新しい配位子を設計した。ピンサー配位子の利点を生かしつつ、塩基性と酸性を合わせもち、アニオン性-中性相互変換可能なトリアゾール部を有する、P-sp^2N-P型とsp^2N-sp^2N-sp^2N型の配位子である。ともに、中心のsp^2N原子はモノアニオン性トリアゾリドと中性トリアゾール配位子として金属と相互作用することができ、中心金属の酸化段階が変化しないメタセシス型触媒反応において、その反応性・循環性の向上が期待される。これまでに、これらの光学活性体の大量合成経路を確立した。各種遷移金属錯体の合成、そして、触媒活性調査を開始する物質基盤が確立したと言える。
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