2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04130
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 隆史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ETIENNE Dabid BARANOFF 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 自己組織 / 液晶材料 / トリフェニレン / 電荷移動錯体 / 金属錯体液晶 |
Research Abstract |
本研究の目的は幾何学的に複雑な構成要素からなる新しい機能性金属錯体液晶の創製である。遷移金属錯体からなる材料は金属イオンを含有するため、新しい機能の発現が期待される。一方、最近ロタキサンやカテナンなどの幾何学的に複雑な構成要素が新しい材料の設計、合成に多く使われている。ここで用いられるメカニカルな結合は共役結合では達し得ないユニークな弾性や強度などの物理特性を示す。本研究では、トリフェニレン(TP)・ピラジン・トリアジン・金属配位子からなる「かご構造」錯体との幾何学的な複合体を作成し、その液晶性を調べた。これまでに、ポリエチレン鎖を6本もつ対称構造のTPを用いたところ、かご構造錯体とTPが交互に重なった構造により、リオトロピック液晶性が発現しヘキサゴナルカラムナー相を示すことを見出した。これはTPがかご構造錯体の外側と電荷移動を介して相互作用をしている事を示唆している。次にかご構造錯体に内包されるTPの合成を試みた。ピラジン周りの立体障害を減らすためにポリエチレン鎖を3本もつC_3対称のTPを設計、合成したところ、この化合物はテンプレートとしては作用しないが、20%の収率で空のかご構造錯体に内包されることが分かった。(ゲスト2当量使用すると収率は45%だった。)次に新規金属錯体液晶の作製を目的としてメソゲン部位にカテナンを構成単位として取り込む事を試みた。これまでに、構成単位となる分子を設計、合成した。今後、カテナン部位を光や電気でモルフォロジーの変化が誘起されるように修飾して、動的な液晶分子となることが期待される。
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