2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04131
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上垣外 正己 名古屋大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WAN Decheng 名古屋大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | リビング重合 / ラジカル重合 / 立体特異性重合 / 可逆的連鎖移動剤 / フルオロアルコール / ビニルピロリドン / 水溶性ポリマー / キサンテート |
Research Abstract |
ポリビニルアミドは、毒性が低い安全な機能性ポリマーとして、医薬用助剤、化粧品分野をはじめとする種々の分野で使用されている。中でも、N-ビニルピロリドン(NVP)は、ポリマーが水溶性を示すことから広く用いられているが、ラジカル重合によってのみポリマーを与えることから、これまで精密重合に関してほとんど報告されていない。そこで、本研究では、可逆的付加開裂型連鎖移動(RAFT)重合法を用いて、NVPのリビングラジカル重合を検討し、分子量の制御を試みた。さらに、ビニルエステル誘導体の立体構造制御に有効であったフルオロアルコール中での重合と組み合わせることで、分子量と立体規則性が同時に制御されたポリマーを与える立体特異性リビングラジカル重合を見出すことを目的とした。 キサンテート(PhCH(CH_3)SC(S)OC_2H_5)存在下、AIBNを開始剤として用いて、60℃でNVPのラジカル重合を行うと、重合は速やかに進行した。生成ポリマーの分子量は、重合率に比例して増加し、キサンテート1分子から1分子のポリマーが生成すると仮定した計算値に良く一致した。また、ポリマーの分子量分布は狭く(M_w/M_n〜1.2)、以上より、リビングラジカル重合が可能であった。 また、生成ポリマーの立体構造制御を目的として、種々のフルオロアルコール中での重合を検討したところ、ラセモ(r)含有量が増加する傾向が見られた。とくに(CF_3)_3COHを道井と場合に、最もr含有量の高いポリマーを与えた(r〜60%)。 さらに、フルオロアルコール中でRAFT重合を行うことにより、分子量と立体規則性の同時制御を試みたところ、比較的分子量分布が狭く(M_w/M_n〜1.3)、同時にr含有量の高い(r〜60%)ポリマーが得られることを見出した。
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Research Products
(1 results)