2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04137
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
伊東 忍 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孫 英姫 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ジオキシゲナーゼ / 分子状酸素の活性化 / 単核銅錯体 / フラボノール / 酵素反応機構 / 銅タンパク質 / モデル錯体 / 触媒機能 |
Research Abstract |
Quercetin 2,3-Dioxygenaseは、分子状酸素を用いてflavonol類を酸化的に分解する銅酵素であり、単核銅活性中心を有する二原子酸素添加酵素としては最初の例である。活性部位にはHis66、68、112のイミダゾール基とGlu73のカルボキシル基が配位基として存在するが、Glu73が銅に直接配位した構造と、配位していない構造の二つが存在する。しかし、Glu73の役割や酵素反応機構の詳細については殆ど解っていない。そこで本研究ではQuercetin 2,3-Dioxygenase活性中心の機能解明を目的として、分子内にカルボキシル基を導入したピリジルメチルアミン系配位子およびピリジルエチルアミン系配位子を設計・合成し、対応する銅(II)錯体の構造、構造、各種分光学的特性、およびflavonolとの反応性について検討した。X線結晶構造の結果、ピリジルメチルアミン系配位子の銅(II)錯体は、カルボキシル基の酸素が軸位に位置した四角錐構造であるが、メチレン鎖をエチレン鎖に変えたピリジルエチルアミン系配位子の銅(II)錯体では、カルボキシル基の酸素が配位平面上に位置した四角錐構造であることが判明した。これらの銅(II)錯体をflavonolと作用させると、420nmに特徴的な強い吸収を有する銅(II)の三元錯体を与えることがX線結晶構造およびESI-MSの結果から明らかになった。それらの三元錯体はDMF中、100℃で分子状酸素と反応して徐々に分解する。ピリジルエチルアミン系配位子の銅(II)三元錯体の分解速度は、ピリジルメチルアミン系配位子の銅(II)三元錯体よりも遅かった。以上のような結果から、配位子のカルボキシル基の配位状態の違いによりflavonolとの反応性が大きく異なることが判明した。
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Research Products
(7 results)