2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規多孔質複合酸化物電極の開発と色素増感型太陽電池の高効率化
Project/Area Number |
04F04148
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
昆野 昭則 静岡大学, 工学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KUMARA Gamaralalage Rajanya Asoka 静岡大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 色素増感太陽電池 / ナノ多孔質半導体 / 複合酸化物 / 酸化スズ / 酸化亜鉛 / 酸化チタン / 擬固体化 / 大面積化 |
Research Abstract |
本年度は、大面積化と有機色素の利用を中心として研究を行った。 1)色素増感太陽電池の大面積化とTiO_2/MgO複合酸化物電極の開発 色素増感太陽電池の効率は、光入射側の基板として用いる透明電極の導電性の影響を受ける。特に数cm角のモジュールサイズでは、一般的に用いられているFTO(フッ素ドープ型酸化スズ)透明電極では、数mm角の試験セルサイズと比較して性能が大幅に低下することが知られており、導電性の高い透明電極の開発が重要な課題となっている。これに対し我々はFTOに比べて導電性が高いITO(スズドープ酸化インジウム)透明電極にFTO透明電極層を積層した二層型透明電極を開発した。さらに、この電極に酸化チタンに微量の酸化マグネシウムを加えた多孔質薄膜電極をスプレー熱分解法で作製した光電極を組み合わせることにより、21cm^2という比較的大きな面積で7.2%の光エネルギー変換効率を達成することができた。酸化マグネシウムの効果については現在検討中であるが従来の複合酸化物電極に比べると、より少量で効果が現れており、電荷再結合の抑制とは異なるメカニズムも考慮する必要がある。 2)天然色素を利用する色素増感太陽電池 色素増感太陽電池の色素として、天然色素を利用する試みは、天然資源の有効利用の観点から以前より研究がなされているが、効率や安定性に問題があった。我々は、赤シソから抽出されたシアニジンとクロロフィルを主成分とする混合色素溶液に多孔質酸化チタン薄膜電極を浸漬し、ヨウ化銅固体型色素増感太陽電池の光電極として利用することにより、従来の天然色素に比べて高い効率と安定性を示すことを見出した。この固体型色素増感太陽電池は、高効率が報告されているルテニウム錯体色素に比べると未だ低い性能であるが、天然色素の利用という観点からは、大いに意義のあるものである。
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Research Products
(3 results)